室温がどんどん上がっている・・・
「斉藤さん・・・少しだけ我慢をしてください。」
「分りました・・・井口さんがそう言うのであれば、悪い意味ではない事だと思いますので。」
「井口さん・・・この蒸し暑さは井口さんが?」
「悪い・・・龍門クン。今は手が離せないので、質問は後に願いたい。」
私はさらに両掌に集中して念気を放出した。
サキエママは着物を着ているのに、先ほどから汗ひとつかいていない・・・
やはり間違いなく憑依しているのだろう。
その時中を走り回っていた霊体のうち1体が、話をしている私に唐突に向かってきた。
「あぶね〜!」
今度は私の右肩にぶつかってきた。
凄い衝撃だった。
思わず片膝をつく私に、もう1体が向かってきた。
その霊体の顔の前に、とっさに開いた右手をかざした。
「ギキーッ!!お・おのれ・・・」
今度は部屋の天井に緑色のシミが広がった。
そして臭い匂いとともに消えた。
何とか間に合った。
少し怖かった・・・そして焦った。
相手が3体にもなると、やはりやっかいだ。
「残りの奴は?」
私は最後の1体を探した。私の右肩に激突
した奴だ。
「井口さん!!こっちです!」
龍門氏の叫びで、そちらに気を向けた私は、今にも斉藤さんにぶつかるかと言う瞬間の霊体をみた。
「龍門クン!!」
思わずその横に立つ龍門氏に叫んでいた。
「分っています!」
続く