フロントマンはこう言った。
「何故だか貴方には本当の事を言わなければいけないように感じてしまいます。何でだか分りません・・・でも・・・供養と言う言葉が頭の中に浮かんでくるのです」
そう言ってフロントマンは、フロントの奥にある控室に私を招いた。
コーヒーを出してくれながら、しきりに不思議な気分だと言っている。
「挨拶遅れました・・・私はこういうものです・・・」
そう言って名刺を差し出した。
「神村 信也と言います。一応このホテルの支配人をしています・・・とは言ってもこの程度のホテルですが・・・」
そう言って笑った。
「私の名前は井口清満と言います。まあ チェックインの名前でわかると思いますが。」
「井口さんのおっしゃる通りだと思いますが、もう一度井口さんの感じる事を教えてください。いえ 疑うわけでは無いのですが、私もこのホテルの利にならない事を話す訳ですから・・・すみません。」
当然な話だろう・・私は職業を名乗っていないのだから・・・でも この時私は、サラリーマンの名刺しか持っていない身分だったから仕方のない事なのだが・・・
「分りました・・・私の感じるままを言わせてもらいます。」
そう言って私は、コーヒーを一口口に含んだ。
続く