はたしてあの寺の中の怪奇な気の元凶は あの焼身自殺の女性なのだろうか。
確かに恐ろしいほどの呪う気持ちの強さは感じる・・・
しかし それだけで元凶になるのだろうか。
まだ私が気がつかない元凶があの寺の中にあるような気がする・・・
でも今はあの焼身自殺の家に向かい、霊体に話を聞いてみなければ話が進まない気がした。
そう考えながら歩いていた私は、唐突に足を止めた。
「ここ・・・ここで呼び止められた」
私は声の聞こえた1点を見つめて言った。
そこは例の焼身自殺の女性の家の、裏の塀の所であった。
「先生・・・実は・・・」
「なんですか?木下さん教えてください。」
「あ・・・はい。実は彼女はこの塀に中あたりで全身に灯油をかぶり、火をつけてそのまま何かを叫びながら家の中に飛び込んだそうなんです・・・」
「ここで灯油を・・・と言う事は、この場ですべてを決断した訳ですね。怨念もここが強い訳だ・・・」
それなら都合がいい・・・店の中では都合が悪かったから・・・ここなら
そう思い、塀に両手を当ててみた。
聞こえてくる・・・頭の中のずっと奥の方からかすかに聞こえる・・・女性の叫び声
発狂してしまっているような怨嗟の言葉を並べているようだ・・・
続く