「阿黒先生が来てくれたのなら解決したんじゃないですか?人格的には好きではありませんが、こと 霊能力者としてはかなり力がある事は認めていますからね。」
「それが・・・阿黒先生も一目見て腕組みをして悩んでしまったんですよ。」
「阿黒さんが悩んだ?まだ何もせずの段階で?ですよね・・・・」
「はい・・阿黒先生が到着するまで、浴室に閉じ込めておいたのですが、阿黒さんが到着して浴室のドアを開けたら、お嬢さんは素っ裸で四つ這いになっているんですよ・・・さすがに親父さんのお嬢さんだから、若い者にも見せる訳にもいかず・・・
かといってその浴室に阿黒先生が入って行って・・・と言うのも、阿黒先生も危害を心配してはいる事を躊躇されてしまいました。」
「・・・それは確かに・・・でもそれなら私が行っても同じことではないですか?」
「いえ・・・話には続きがありまして・・・阿黒臣従先生も、切りがないと言い、若いもんを外に待機させて、私と2人きりで浴室に入って行ったんです。そして阿黒先生独特のやり方で経を唱え始めたんです。そしたら・・・」
「そしたら・・・・?経が全く効かなかった・・・と言う事では?」
「??何で分るんですか?怖いですね・・・井口さんは。」
「お経が何にでも聞くとは思っていません。まして動物霊ですから・・・」
「まさしく・・・そう言う有様で・・・こちらを挑発するように、両足を広げたり・・・陰部を曝け出したりと・・・姿形はお嬢さんですから、痛々しい感じがして・・・それ以上阿黒さんもストップしてしまいまして・・・」
「それは酷い・・・」
「阿黒先生はそこで考えた末に、井口さんなら・・・・と言いまして。井口さんなら全く違う方法でやるので・・・経じゃ駄目だからと言っていました。」
「違う方法・・・確かに私は経は読めませんから、私なりのやり方になりますからね。しかし・・・荷が重いな・・・阿黒さんは力がある人だから・・・その人が困るような事だとすると・・・きつい。」
「きついとは思います。しかし・・・一番きついのはお嬢さん自体のはずです。阿黒さんが言うには、時間を掛けると、正気に戻った時にショックのあまり自殺でもされかねないと言いました。だから・・・」
「僕のやり方だと一気に?そして大急ぎで浴衣でも着せれば、自分の醜態も分からないと・・・それはベストですが・・・そうか・・・阿黒さんは以前私がやった除霊の時に同席した事があったから、それで・・・」
「はい!お聞きしました。その徐霊をしていただいたお人が一晩意識を失っていて、翌朝何事もなく目覚め、まったく覚えていなかった・・・と。その方法が一番良いとおっしゃっていました。」
「あの時は力を入れすぎて、セーブしていなかったから・・・気を失ってしまったんですよ。そうか・・・普通にやると、すぐ意識が戻り、自分の醜態に気がつくからと言う事ですか・・・」
「そうじゃなくとも、お嬢さんの全身も切り傷や擦り傷・・・打撲痕の山ですから・・・」
その時運転手の若者が言った。
「そろそろ着きますが・・」
「先生・・・お願いします。何とか助けてやってください・・・お願いします。」
「・・・・・分りました。やりましょう」
車は大きな門をくぐり、広めの庭の中に入って行き停車した。
続く