受け取った名刺に視線を落とした。
そこに書かれていた名前は・・・・・そしてもう一度その年配の顔を見た。
「どうりでどこかで見た方だと思いました。政治家の先生でしたか。」
「あはは・・・ここは私の息子ので・・・不肖の息子の表向きは土建業ですら・・・お間違いのないように・・・お願いします。」
これ以上詮索はするなと言う眼光であった。
「私は気にしませんよ・・・貴方はかわいいお孫さんを助けたい、孫思いのお爺さんですよね?」
「孫思いの・・・お爺さん・・・これはやられましたな・・・確かにお爺ちゃんだもんな・・・あはは。阿黒先生・・・なかなかですな?この先生は。」
「そうでしょう!肝も据わっていますよ。じゃなきゃ、この場に来ていませんし、霊なんかと戦えませんよ。なあ 井口さん」
「いや・・・怖いですよ。実は・・・私は事務所と聞いていたのに、来てみたらこんなに大きなお屋敷じゃあ・・・逃げられないから開き直っただけですよ。」
「井口さんらしい言い方だ。すぐに行きますか?」
「そのまえに・・・阿黒さん・・・貴方ほどの人が・・・どんな感じですか?」
「あれは・・・重度レベルじゃ相当高い憑依じゃな・・・」
「そうですか・・・この辺には稲荷神社はありますか?」
「稲荷か・・・」
「雨の日に帰って来てから・・・と聞いたもので、その帰り道に何かに触れたのかと思いまして。」
「稲荷・・・・ある!あるぞ!!伏見稲荷じゃ・・・」
阿黒さんは手を叩いて言った。
「やはり・・・伏見か。そこのお稲荷様か・・・強いとしたら、ただの動物霊とは思えないから・・・そう思って聞いてみました。」
「井口さん・・・わしも助勢しますよ。」
「そう願います。心強いですよ。」
「本当にそう思ってくれるか?嬉しいがの・・・」
「もちろん・・・今回は腕力はいりませんから・・・必要なものは純粋な念気です」
「そう・・・その我々の気とは種類の違う念気が必要なんじゃな・・・」
私は頷いた。
「じゃあ行きますか・・・河野さん 案内してください。」
廊下にいつの間にか人だかりができていた。そこに立つ河野さんを見つけ声をかけた。
続く