しばらく進むと洋間のような所に辿りついた。
20畳程の広いリビングだった。
そこには2つの扉があった。
「井口先生・・・この扉の向こうです。」
「この先の部屋は?」
私は和服姿の女性に聞いた。
「はい・・・このドアの向こうは地下室に降りる階段になっています。」
その時河野さんが割り込んできた。
「井口先生・・・地下室には窓が無いので・・・・それで一番安心かと思いまして。」
「確かに窓があると危険ですからね・・・でも都合よく地下室があって良かったですね・・・」
私はその地下室がどのような使われ方をしているかを少し考えた・・・
「まあ・・・仕事がら・・・いろいろ便利な部屋なもので・・・厳しい質問は止めましょう。」
私はそれを無視して言った。
「さあ・・・行きましょうか。阿黒さんついて来てくれますか?」
「行きましょう・・・ただし地下の部屋のドアを開けるところまで、若い人に頼みましょう。井口先生の変わりはいないので、極力危険は避けましょう。」
「そうですね・・・」
その時 それまで黙って様子を見ていたお爺さんが言ってきた。
「井口先生・・・道具などの準備はしなくてもいいのですか?粗塩や十字架や数珠・・・ロウソクやお線香・・・などでも」
軽装でこの家に到着したままの手ぶらの姿を見て、多少不安になったのだろう。仕方のない事かも知れない・・・そう言うものだと思っている人がほとんどだと思っている。その方が重みがあるのは確かだからだ・・・しかし私には必要ないし、なにも持っていない・・・この両手しか・・・
「ご心配無用ですぞ・・・おじじ殿・・・井口先生の場合は、わしとはちと違うのでな・・・」
阿黒さんが代わりに答えてくれた。
この手の説明は苦手で、面倒だから助かった。
「河野さん・・・3人程人を貸して下さい。」
「はい・・・任せてください。近藤と大幹と関口・・・お前たちが前を歩いてお守りしろ!分ったな。それから・・・下で見た事は忘れろ・・・それだけだ、行け!」
「はい!分りました。」
続く