先程までより、何倍にも怒気を膨らませてきているきつね憑き・・・
不思議なものだ、見た目はまだ幼い顔立ちの高校生なのに、叩きつけて来るこの怒気は、完全に獣のものだ・・・
しかし・・・この子の本当の姿は、この見たままの姿なのだ・・・
辛いだろう・・・何故こんな目に合わなければいけないのか・・・
そう思うと、早く何とかして解放してあげなければと思った。
「行くよ!阿黒さん。龍門さん。」
「準備はOKよ!急ぎましょう。井口さん」
「そうだな!こっちもOKだぞ!井口さん」
「まず阿黒さん・・・もう一度狐の動きを止めてください!止まったら龍門さんの音叉だ!分ったね。さあ!」
一気に気合いを高めていく阿黒さん・・・
周りに居る私でさえ気押される程の強い気だった。
目に見えない鎖が飛び、きつねに絡みつく。
すると今度はそれを見計らったタイミングで、龍門さんの拍子木が鳴った。
カキーン!カキーン!!カキーン!!!
これが木の出せる音なのかと思うほどの響きだった。
確かに普通の人が鳴らせる音ではなかった。
その拍子木に、特殊な気を織り交ぜて鳴らして、内部を揺さぶる・・・
先程までの怒気を爆発させていたきつねの動きが完全に止まった。
ガリッ・・・ガリッ・・・
苦し紛れに床を搔き毟る爪の音だった。
「神の卷属たる汝が、何故にこの娘にとり憑いたのか・・・その訳を知りたい。」
「がが・・・っ・・・こいつら3人は・・・我々稲荷の祠に・・・た・・・ばこのすい・・がらを・・・入れ・・・た・・・おそ・・なえものを・・・乗せる・・・皿の・・・上にだ・・・許せぬ・・・そんな・・や・・つらは・・・ながね・・・ん・・あそこで人々の・・・安全を見守ってきた・・・・われ・・われにとっても・・・初めての暴挙だ・・・許せん・・・」
「それは・・・・う・・・ん。良くないな・・・それじゃあ この子の他にも2人が?」
「ああ・・・・そいつらにも・・・だ」
「一つ確認がしたい・・・この子はそのタバコを吸ったのか?」
「いや・・・この子は吸っていないし、捨てていない・・・だが一緒に居た仲間だから・・・だ。」
続く