真っ白な2本のしっぽを揺らしたお狐様・・・
「うーん・・・何か気押されるな・・・」
私は思わず呟いてしまった。
「本当・・・綺麗だわ・・・」
龍門小百合さんも呟いた。
「おい!そんな事を言っている場合じゃないぞ!!しっかりせんか 2人とも!!!」
阿黒さんだけはまともだった。
「お前たち・・・この愚かなる失敬な者たちの見方をするか?」
驚くほどしっかりした、重い口調で語りかけてくる。
「確かにこの人間たちは失礼な事をしてしまったと思います・・・お怒りはごもっともです。しかし・・・ここまで貴方ほどのお稲荷様がしてはどうかと思います。」
私も静かにそれに答えた。
「私に意見をするか?」
かすかに2本の尾が膨れたように見えた。
「いあや・・・これは意見ではありません・・お願いです。許してあげていただく方法をお聞きしたい・・・」
「許すとな?・・・許す・・・とな?」
じっと私の目を見つめてくる・・・真っ白な眼差し。
その時だった!
3人の能力者が、全神経をお稲荷様に向けていて気がつかなかったが・・・
「す・・・すげえ・・・・・」
この場所には不釣り合いな声が聞こえた。
「本当だ・・・初めて見たぞ・・・俺にも見える・・・」
「いるんだ・・・本当にいるんだ・・」
私たち3人は同時に慌てて声の方に顔を向けた。
ドアの入り口に立つ3人の若者・・・
「クッ・・・何をしているんだ!」
私はこの予想外の乱入者に、集中力を解いてしまった。
それは阿黒さんと龍門小百合さんも同じだった・・・・・
結界が破れた・・・それだけだった・・・しかし、その意味は2度目が難しい事を知っている者たちにとって、絶望的な意味を持っていた。
「下がれ!!馬鹿者ども!!」
阿黒さんの怒号にも近い叫びが飛んだ。
このくらいのお稲荷様なれば、普通の人間にも見えてしまっていた事が災いした。
迂闊だった・・・・
我に帰る3人の若者たち・・・
それを見据える追うなり様の眼が、一瞬で真っ赤に変わるのを私は見た。
続く