「井口さん・・・本当に油あげを喜ぶものなのかしら?」
「確かに私も分からない・・・でも昔から言われているのも事実だし、意味があるんだと思うよ。ほかに代わりも考えられないからな・・・」
「そうじゃ・・・ようは気持じゃよ。」
阿黒さんも一気に食べ物を口に運び始めた。
「井口さんも腹を膨らませておいた方が良くないか?」
「ええ・・・もう充分ですよ。」
そう言って包帯を巻かれた右腕に力を入れてみる・・・・ズキッ!・・・痛い。
「大丈夫ですか?傷は痛みますか?」
この家の奥さんが心配そうに聞いてきた。
「いや・・・駄目そうです。痛いです。」
そうふざけて言う私をみて、みんな吹き出した。
30分が過ぎた・・・祖父の秘書と、ここの若者たちが同時に帰ってきた。
みんな息を切らしている。
その量は大皿に山盛りになった。
この時間にこれ程の油あげをよくぞ集めたものだと感心してしまった・・・
「多い事に越した事はないから全部持って行きまょう。あとは白い小皿があればそれも全部持って行ってください。」
私は手早く支持を出して立ち上がった。
続く