龍門小百合の気持ちを考えた・・・
危険とは思ったが、その気の迷いが龍門を止める言葉のタイミングをずらした。
龍門さんは手の持つ油あげを、2人の前に投げて、お酒の瓶の蓋を開けた。
それを持ち走りながら、右手には腰にさしていた樫の拍子木の長い棒を持っていた。
1本なのは、先ほど地下で、孤地という狐と会いまみれた時に、バッサリと切られてしまい、短くなってしまったので、今は失われてしまっていたからだ。
「はあ〜っ!!」
油揚げに気を取られた2人に向かい、酒の瓶の中身を撒き散らした!
酒を全身に浴び ただ佇む2人の憑依された男にむかって右手の拍子木を横殴りに振った。
しかし・・・ただの物理的攻撃では効かない事を、先ほどの河野さんの一撃で見ていたはずだ。それなのに・・・・
いや?・・・龍門さんが叩きつけた拍子木には、お札のような物が巻きつけられていた。いつの間に?
その拍子木の一撃が、首を持たぬ方の若者を捉えた。
「ガコッ!」
鈍い音がした。足のひざ下あたりに食い込んだ。
この一撃はさすがに効いたらしい。
左足が不自然に曲がってバランスを崩して倒れた。
折れている筈だ・・・・これで一人の動きを止められる。
「よっしゃ〜っ!!」
龍門は後ろに跳び退りながら叫んだ。
その龍門に向かって黒い塊が一直線に飛んできた。
「キャッ!」「ガツッ!」
「大丈夫か?龍門さん」
阿黒さんが龍門に向って走った。
龍門は何とか右手に握った拍子木で受けたので、その拍子木が当たった鼻から鼻血を出すだけにとどまった。
顔面に向かって投げつけられたものは、足元に転がっていた・・・
狐の石像の耳のない頭だった・・・
「あははは・・・よく避けられたね?顔をグチャグチャにしてあげようと思ったのにね・・・残念だな・・・・」
この狐たちは、孤地と違って、何と軽い奴らなのか・・・その分恐ろしさを感じた
続く