どれくらい世間話が続いた頃だろうか、私は気になっていた事を呟いた。
「あの・・・先ほどから女性が私をじっと見ているのですが・・・何か言いたそうに」
「えっ!?」
ご夫婦ほとんど同時だったのではないか。
「ここにいるのですか?どこですか?」
奥さまが聞いてきた。先ほどまでの談笑嘘のように・・・
「はい・・・そちらのドアの蔭からです。そちらの部屋へ、出たり入ったりしています。」
二人はその部屋を振り返った。
「特に・・・ご主人・・・○○さんを見ていますが・・・心当たりがありますか?」
「・・・・・・・・・」
○○さんは私の顔をじっと見つめたまま、押し黙ってしまった。
それをフォローするように奥様●●さんが答えてきた。
「主人を見ているのですか?」
「はい・・・じっと。それも泣きながら」
私がそう言ったと同時だっただろう、ご主人が急に号泣し始めた。
先程までの豪快さも影を薄めて・・・
「あの・・・あの部屋に行ってもいいですか?」
私は思い切って言ってみた。
「貴方・・・・」
奥さまはご主人に聞いてみた。
ご主人は泣きながらも 何度も小さくうなずいて見せた。
「それでは・・・」
奥さまの案内で、私はソファーを立ち上がった。
続く