部屋の中にたたずむ女性を見つけた。
「さあ・・・私の声は聞こえますよね?私は貴女が見えます。もう一人っきりじゃないのですよ。こちらを向いて下さい。」
私は何かに怯える女性に、出来る限り優しく声を掛けた。
こちらを振り返る女性・・・
その顔は、崩れ去り・・・両の頬は搔き毟った跡が 深々と残っていた。
「う・・・ん。それじゃ あなたの本当の姿は分からないね。今 元の姿に戻してあげるよ・・・」
その女性の姿は、何故そのようになってしまっていたのだろうか・・・
おそらく 自分の存在に気が付いて欲しくて、いろいろなアクションを起こしたのだろうが、それでも誰にも気が付いてもらえず、打ちひしがれてしまい、またその孤独感に押しつぶされてしまった そんな姿だったのだろう。
私は両手をその人に向け、念気を送り込んだ。
霊には現実の肉体は無い。
その姿を作っているのは、その人の持つ想念、または残留思念で出来上がった ボディスーツのようなものである。
ですから 霊自体の元の姿に戻す事は意外と難しい事ではなかった。
しだいに戻って行くその女性の姿。
「あれ?君を見たことあるな・・・」
私はそう呟いて、奥さんを振り返った。
続く