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死してなお・・・女優編 ♯16

2008-01-27

「しかし このままの状況で、この部屋には長居は出来ません。肉体的な疲労と精神的な障害が、普通の人には、いや霊にもきついと思いますので・・・」

私はみんなに同じように伝えた。

「私たちなら平気です・・・もっと一緒に居させてください。」

奥さんが私の腕を強く掴み そう言った。

「○○・・・俺が悪かった・・・でも俺も、女房も・・・お袋も・・・付き人の○○ちゃんだって・・・それに多くのファンもお前を忘れてなんかいない・・・」
ご主人が 前に出て来て話した。

「ありがとう・・・私・・・女優 ○○ ○○として記憶の中で生きられるのね?みんなの中で生きられるのね?」

「そうよ・・・私なんか歳を取って行っちゃうけど、○○ちゃんはずっと綺麗な時のまま・・・羨ましいくらいよ。」

奥さんも笑いながら答えた。

「タイムリミットが来たようです・・・私の力ではここまでです・・・申し訳ない」

薄れて行く姿のまま、女優 ○○ ○○はとてもまぶしい笑顔を見せた。
さっきまでの搔き毟ったえぐれ後もすっかり消えて・・・映画の中で見せた笑顔で

「ごめんね・・・ここまでで許してもらえるかな?」
私は 妹さんに頭を下げた・・・

その私の肩をそっと触れながら

「井口さん・・・ですよね?本当にありがとう。私を見つけてくれる人に会いたかった・・・私 永遠に孤独のらせん階段の中を上り下りを繰り返していました・・・途方もなかった・・・見られる事を喜びと思って生きてきた人種が、誰にも見られなくなる辛さを知りました。たとえそれが写真展でも、再放送でも・・・どんなに幸せか・・・私には良い兄がいます。そして良いお姉さんがいます。お兄ちゃん・・・これからも昔みたいに、私のプロディースお願いしますね。」

「おう!任せておけ!!」
「そうよ!お兄ちゃんは凄いプロディーサーだから大丈夫よ。」

ご夫婦は力強く言い切った。

「それじゃあ・・・行きますか?」
私は妹さんに向きなおってそう言った。

「はい・・・お願いします。」
胸を張って晴れやかな顔だった。
こんな清々しい顔を見れるなんて思わなかった・・・来て良かったと思う。

「それでは・・・・」
それから3分ほど沈黙の中を、ゆっくり回りながら昇って行く・・・まるで舞台で、透明のらせん階段を昇って行くようだった。

「終わりましたよ・・・・妹さんは、死んでも尚・・・ずっと女優だったんですね。
見られることが生きがいの職業。それなににまったく逆の、誰も見てくれない 気が付いてくれない世界で苦しみました。
これで彼女は、美しいままで写真展を応援してくれるでしょう・・・・」

「死んでも・・・なお 女優・・・か」
「彼女が、忘れられないように努力しなくっちゃね。私達も・・・」

「そうです・・・お二人がまず 芸能界で消えていかない存在でいなくてはいけませんよ。」

「こりゃあ 手厳しいですね・・・さあ 明日から一層の努力しなくっちゃな?」

ご主人の顔に迷いはなかった。
                続く

Posted by kiyoman 00:22:28 │Comments(0)TrackBack(0)

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言霊の伝言師

言霊の伝言師
名前 井口 清満
性別
自己紹介 霊関係の仕事に携わっていますが、中身はいたって普通の人間です。
どちらかというと、明るくてポジティブな人間です。
皆さんの期待しているような格好をしていませんし・・・笑
趣味 映画鑑賞
スポーツ
アート
出身地 東京都
居住地 東京都
好きな
食べ物
バナナ・あんみつ・お肉系・・・
ピーマンは大っ嫌いです!!

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