リビングに通された私は、部屋の中を見回した。
何かを感じるかどうかを確認したのだ。
しかし・・・・何も感じない。
ソファーに腰を下ろし、コーヒーを出されて、みんなが席に着いた。
「近藤さんの奥さまは居ますか?」
まだ自己紹介がされる前に 聞いてしまった。
少しせっかちだったかも知れないが、少し急ぐ必要があった。
「はい。近藤です・・・」
「近藤さん・・・ご主人の容体は?何か言ってますか?」
「それが・・・MRIを撮ってもらったのですが、特別何も問題個所はないとの事でした。不幸中の幸いです。ただ・・・」
「ただ?」
「はい・・・何ともないはずなのに、主人は頭が痛い痛いと・・・ずっと頭を抱えたままなのです。お医者様も困ってしまっているようで・・・」
「頭が痛いと・・・中は何ともなしか」
「井口さん・・・みなさんの紹介をさせていただいてよろしいでしょうか?」
道橋さんが言った。
「あっ!これは失礼しました。先に確認しておきたかったので・・・すみません」
「はじめまして・・・横山と申します」
「はじめまして・・・佐々木です。」
「砂田と申します。先生・・・助けてください。」
「小暮です・・・この度は遠い所をわざわざありがとうございます。」
「みなさんこんにちは。 井口清満と申します。話はある程度 道橋さんから聞いています。そうだ!ガラス片をお持ちになりましたか?」
「はい・・・ここに。」
そこには小さな・・・子供達の宝物の、例のガラス片が乗った白いハンカチがあった
3つは透明な、1つだけ少しピンク色したガラス片だった。
私はそのガラス片を、手のひらに乗せてみた・・・そしてそれを軽く握りしめる。
浮かび上がる乱れた画像・・・
恐怖の感情・・・・
眉間にシワを寄せながら握りこむ私を、緊張の人たちが覗き込む。
続く