「いえ・・・スクラップにはなっていません。まだ記憶が途切れてはいませんから」
「そうですか・・・良かった・・・のですよね?」
道橋さんが何だかよく分からなくなったように返答を返してきた。
「そうそう・・・良かったんですよ。さあ行きましょう・・・ついてきて下さい」
スクラップ工場があるような場所は、そこから発する音や匂いなどのせいで、民家などが無い場所にあるものなのです。そして・・・
しばらくいくと二股に分かれた道に出くわした。
「右に行くとスクラップ置き場ですね」
小暮さんが指さして言った。
「そうですね・・・でも私が行きたいのはこの左側の道です。」
「こっちは狭い道ですから・・・車は?」
「私は目で見ていませんから、細くても広くても関係ありません。それに細いと言っても崖とかではないのですから、車は十分通れます。常識はこう言う時 邪魔になるだけです」
「すみません・・・そうですよね。井口さんはそう言う常識外の部分を感じて生きて来たのですものね。私の時も・・・」
「私も常識はありますよ」笑
「そう言う意味では・・・これは失礼しました」
「まあいいですよ・・・さあ 行きましょう。この左の路を・・・」
続く