車に向かって左手のガラス片を差し出した。
そしてその手の中のガラス片を車のボンネットの上にそっと置いた・・・
静かに印を結ぶ・・・・・・・・・・・
今度は右手をボンネットの上に置いた。
車の記憶と、そこに残る苦悩の記憶にシンクロする。
見つけた・・・チューニングOK。
「貴方はこ車を知っていますね?」
私はそっと少ない記憶に向かって話しかけた・・・
「そうです・・・この車の奴は・・・奴は許せない。」
「貴方はどこでこの車に?貴方はまだそこにそのまま居るのではないですか?」
「そうです・・・こんな遠い所に来てしまった・・・心と体がバラバラだ・・・」
「いえ・・・残念ながら体の方はもうすでに・・・荼毘に臥されてしまっているでしょう。」
「知っている・・・さすがにこの孤独を味わったのだからそのくらい・・・でも帰りたい・・・あの場所に・・・」
「そこの導いて下さい。場所を教えていただきたいのです。私が連れて行きましょう。」
「本当に?本当に帰してくれるのですか?」
「はい・・・この私が。その代り条件があります。」
「この人たちの事だろう?迷惑を掛けた・・・分っている。でもあの子供たちが可愛くてな・・・私の孫と同じくらいの歳だったので・・・つい」
「じゃあ初めから子供達に危害は加えるつもりは無かったのですね?」
その言葉に一同の親御さんは顔を見合せて、そして車に向かって・・・見えない被害者に向かって手を合わせた。
* ここでの被害者の声は、私の通訳で伝えていました。
続く