乙部さんの頭の中で・・・記憶をたどる。
「暗い・・・その先に・・・あっ?子供が居る・・・・泣いている。膝立ちの姿勢で泣いている。怖い・・・何もしないから・・・連れて行かないで・・・あの怖い所は嫌だ・・・お願い・・・おと・・う・・さ・ん」
ここまでで乙部さんの記憶が・・・恐怖のためか途切れている。
「そうです・・・真っ暗な所で泣いているんです。怖い怖いと言う感情が、物凄い勢いで襲いかかって来るんです。」
乙部さんはそう言った・・・
すると・・・みんなが驚く状況が発生したのだった。
それまで黙って聞いていたお父さんが
「ちょっと良いですか?井口さんには失礼なんですが・・・」
お父さんが話し始めた。
他の家族3人が、みな同時に お父さん 変なこと言わないでよ という顔でお父さんを見た。
私もそんなお父さんを見た。
「井口さんには失礼なんですが・・・実は私も少し感じるんですよ・・・」
「えっ?お父さん・・・何言っているの?」
乙部さんが言った。
「お父さん・・・そんな事言ったこと無かったじゃない!」
お母さんが言った。
「お父さん・・・変なこと言わないでよ」
次女が言った。
「いや・・・井口さんみたいに見えたり聞こえたり・・・はっきりは分からないんですが・・・でもこの家に何かが居る事は感じていました。」
「お父さんはこう言う事は信じないと思っていいたのに・・・普段は全然知らんぷりだったじゃない!」
「お父さんは宗教は嫌いなんだ・・・だから井口さんもそう言う関係の人だったら嫌だなと思って黙って聞いていたんだ・・・でも井口さんは宗教関係の人ではないし、信頼できる人だと思ったから・・・」
「お父さん・・・全然失礼なこと無いじゃないですか・・・むしろ 話しやすくなりましたよ。」
私も少し驚いた展開だった・・・
続く