でもおかしい・・・
存在を2つ感じる・・・
二重の世界だ・・・
前側に男の子・・・後ろの世界に女の子。
さっきの白粉の匂いさせていた子に違いない。
でもなぜ重なって?そうか・・・それぞれの存在には気が付いていないのか・・・そうだとしたら余程この場所に二人の意識を留めておく力やシンボルがあるんだろう。
「いました・・・これからです。」
もちろん 後ろに立つ乙部家の人たちに向かって言ったのだが、同時に自分にも気合いを入れる為に掛けた言葉でもあった。
私は半眼の姿勢に入り、右手を前に突き出した。
そして次第にその半眼を閉じて行く・・・深く・・・深く・・・潜り込むように。
霊の意識の中にダイブするように・・・
聞こえた・・・さっき靴の上に立っていた男の子だ。
「君は何故ここに居るの?」
「お父さんに連れて来られたんだ・・・その後の事は分からない・・・ずつと一人で居たんだ・・・そうしたらお姉ちゃんが来て・・・」
「お姉ちゃんて?」
「ここの立派なお家のお姉ちゃんだよ・・・そこに居る・・・」
少年はそう言って指をさした。
私はそれと同時に指の差す方を振り返った。
そこには乙部友子さんが立っていた。
続く