2Fへ昇って行く男の気配・・・
「行ってみるか。2階へ」
2階への階段の下で、今一度1階にその気配は無いかを確認する。
「1階にはなし・・・か。じゃあ 行くぞ。」
その時私は、右手に錫杖を持ちそれを鳴らしはじめた。
*錫丈とは、僧が持つ、上の部分に金属の輪っかが付いていてるもの。
「ガシャン・・・ガシャン・・・」
慎重に私は歩を進めた・・・
階段を昇りきった踊り場で、再度全神経を拡散させた。
*一種のレーダーのような感じ。
「どこだ?どこに居る?居る気配はする・・・出て来い・・・」
私は独り言のように呟いた。
「やはり・・・真ん中の部屋には居ない。こっちか?・・・・そうだこっちだ。」
「ガシャン!ガシャン!」
先程より少し強めに打ちならした。
*なぜ鳴らすかと言うと、音の反響により気配を確実に探すためと、追い詰める圧力をかける為に私は使っている。
また違う時は、小さなハンドベルのような小鈴を使う時もある。
念を込めて鳴らすと、澄み切った音が霊の方向へと吸い寄せられる。
ゆっくりと和室に向かう。
ここで居てくれて良かった。友子さんの部屋だったら、あの二人が息をひそめて居るのだから。
「さあ・・・勝負だ・・・この家の最大の元凶よ。私が分るか?いや・・・(俺が分るか?俺の気が分るだろう?)」
攻撃用の人格変貌をした・・・(私から俺に変わるだけですが・・・)
続く