河野文子の顔が、お良の顔に変わっていく
「君はお良ではない・・・もう止めよう?こんな事をしても、私は騙せないし、躊躇しないよ。さあ・・・もう一度顔を見せて・・・河野文子ちゃん?」
顔が戻って行く・・・河野文子ちゃんの顔に・・・この子が悪いのでは無い・・・
確かにそうなのだ・・・悪いのはあの男
{宮坂権造}と{彼女のお父さん、おかあさん}なのだ。
この子は被害者なのだ・・・でも・・・
「良く聞きなさい・・・・消えるのは君だけじゃないんだ・・・お良ちゃんも兵太くんも消えるんだ・・・だから・・・」
「みんな?みんな消えるの?」
「そうだ・・・だがその前に、君とお良ちゃんの魂を一つに戻さなきゃいけない。そうしたら・・・また生まれ変われる。今のままじゃ君はずっとこの世を彷徨い、生まれ変わる事はおろか、醜い浮遊する霊になってしまうだけなんだよ?」
これは真実だった・・・このままでは彼女は生まれ変わる事は絶対できないが、二つに別れた魂が一つに戻れば、可能な話だろう・・・いつの日か。
「生まれ変われる方法は・・・それだけ?」
「そう・・・それだけだよ。」
「そう・・・私だけが犠牲になるんじゃないのね?」
「そうだよ・・・それに犠牲じゃない。
生まれ変わるためにはその方が絶対に良いからね。私も君が憎い訳ではない。助けたいだけなんだ。」
「分った・・・そうだね・・・もともとあたしたちは一人だったんだもんね。そーか・・・そうなんだよね。いいよ・・・」
「君が悪いんじゃない・・・あの宮坂権造もいない・・・君にひどい事をした、女郎屋の女将の お蛍も もうこの世に居ない・・・だから終わりにしよう。それでいいか?」
「分ったよ、おじちゃん。やっちゃって!一気にあたしを・・・・・」
そう言って河野文子ちゃんは背中を向けて座った。
続く