お良ちゃんの後ろで、河野文子ちゃんの体がガタガタ震えてのけ反った。
「これでいいんだね?これで・・・もう疲れた・・・もう逃げなくていいんだよね・・・良かった。ありがとう・・・井口さん・・・」
そう言って河野文子ちゃんの体は消えた・・・お良ちゃんの体の中に吸い込まれた。
「はあはあはあ・・・」
胸を押さえてうずくまるお良ちゃん。
「大丈夫か?彼女の勇気が君の中に入ったんだよ・・・」
「うん・・あの子の方が強いみたい・・・そうだよね・・・あの子は2回生きた分、苦労や悲しみも2倍あったんだろうから・・・だから強いんだ・・・だから・・・もうあたしの中で眠らせてあげたい。」
「そう・・君の中で・・・ね。でもあの子の強さが必要なんだよ・・・あの子の強さがあったから、兵太クンにはあの子が見えたんだから・・・そして迷った・・・君と同じ感じがするのに君じゃない・・・とね」
「・・・・・・・・・・・・」
肩を震わせている・・・泣いているのだろう。犠牲にしてしまった気分なのだろう。
「自分を責めちゃいけない・・・悪いのは私だから・・・今回の事をやったのは私なのだから・・・」
お良ちゃんは顔を上げて言った。
「文ちゃんは、井口さんを怨んでいないよ・・・だから最後に・・・井口さんって言ったもん・・・喜んでいたんだよ」
「ありがとう・・なんか慰められちゃったね・・・・強さが出てきたかもね」
「これで・・・文ちゃんと、兵太と3人で田舎に帰れるんだね・・・あの頃に・・」
「いや・・・あの頃ではない・・・それよりも・・・怖い事悲しい事が無い所へ行けるんだよ。3人で・・・・」
「胸の奥が熱い・・・文ちゃんも力をくれている・・・もう一息・・・頑張る」
「よし・・・その意気だ!さあ 立ち上がって」
続く