もしかすると、皆さんの中にも身近なお話ではないかと思いますので、お読みください。
あるご夫婦、近藤家の夫妻が、私に連絡を取って来られたのは、秋が深まった頃でした。
「はい。井口です・・・」
「井口さんですか?私 近藤澄子と申します。中山さんから先生の事をお聞きしまして連絡をさせて頂きました。」
「中山さんですか?そうですか・・それで?」
「あの・・・電話ではうまく伝えられそうにないのでお会いしていただきたいのですが・・・・」
近藤澄子さんは、受話器の向こうで今のも泣きそうな声を出していた。
相当まいってしまっているご様子でした。
すると・・・
「あの・・・私 近藤富雄と申します。妻がうまくお伝えできそうもないので、私がお話しさせて頂きます。」
どうやら見かねたご主人が電話を変わったようだ。
「そうですね・・・それでご相談はやはりお会いしてからになりますか?」
「まあ・・・その方が詳しくはお伝え出来るとは思いますが・・・先生がご不安になって断られたらと・・・心配になりまして電話を変わったのです。簡単に私からお伝えします。」
「そうですね・・・出来れば簡単には教えてください。もしかするとお伺い出来ない内容かもしれませんから・・・」
少し意地悪のようだが、実際に断らなければいけないような事もありますから。
「あの・・・そう言う可能性も・・・やはりあるのですね?」
ご主人は一層不安そうな声のトーンになった。
「いえ・・・可能性は少ないですから・・・とにかく教えてください。簡単にでも・・・ね」
「分りました。実は4日前に妻は病院から退院して来たばかりなのです。」
「病院?何かのお病気で?」
「いえ・・・産婦人科からですが・・・」
続く