私は指定された駅に電車で向かった。
私は基本的に、仕事は電車を使っています。
東京は、駐車場を見つける手間を考えたら、電車の方が便利な事もありますが、霊を触った後に、運転上何かあったら大変だという事があります。
これほど怖い事や注意が必要な事も、稀にあるのです。
私は改札を出た所で待っていた。
私からは近藤さんが分からない・・・
近藤さんからは私が分る・・・
だから見つけてもらうしか無いのだ・・・
この時間が一番嫌な時間です・・・汗
程なく30代初めくらいのご夫婦が私の前に現れた。
「井口先生・・・近藤です。」
「はい・・・こんにちは 井口です」
「今日はわざわざ ありがとうございます。では、こちらに車を回してきますのでお待ちください。」
そう言って近藤富雄さんは奥さんを残して走って行った。
「井口先生・・・今日は本当にありがとうございました。主人に聞いて・・・嬉しかったです・・・子供の・・・の一言が凄く嬉しかったと・・・あの日二人で泣いてしまったんです。」
そこに立つ奥さんの近藤澄子さんは、相当憔悴しきった顔をしていた。
「そうですか・・・でも奥さん、まだ終わっていませんからね。これからですよ・・・これから」
そう言って笑ってあげたら奥さんは涙ぐんでしまった・・・
「ご・ごめんなさい・・・こんな場所で・・・誤解されてしまいますよね・・・本当にすみません。」
奥さんが涙をぬぐいながら頭を下げた。
確かに見ようによったら別れ話をしている不倫カップルのように見えてしまうかも知れない・・・辛い・・・でも
「もう直ぐその悲しい気持も癒えますからね。」
「はい・・・そう思います。あっ!主人が来たようです。」
目の前に白い車が止まった。それは大きめなワンBOXカーであった。
これから増える家族を想定して買ったのだろう、ファミリーカーであった。
それがより一層悲しさを物語っていた。
私たちはその車に乗った。
続く