「泣きたい人・・・まさか?」
奥さんは私の腕を強く掴んで叫んだ。
「そう・・・もう彼には人格がありましたから・・・」
「彼?・・・・貴方・・・・」
奥さんはご主人に顔を向けた。
「先生・・・私がお答えします。」
ご主人が代わりに答えた。
「赤ちゃんは何ヶ月で流産しました?」
「あっ・・・は・・・い。確か5ヶ月をまたいだ頃です。」
「それでは名前を決めさせられたのではありませんか?もう一人の人間として供養するために・・・」
「先生はなんで知っているんですか?そうなんです・・・医者から言われました。死亡届も出さなければいけないのだと。」
ご主人は心底驚いたようである。
「こんな仕事をしていますと、聞く事がありますので・・・それでご主人は性別も確認したのでしょう?それでなければ名前は決められないはずです。」
「そうです・・・男の子です・・・お・男?彼・・・そうです 彼です先生!!」
ご主人は私が彼と言った意味を、今 気がついたようだ。
「本当にあの子なのね?先生・・・」
奥さんの頬にはもう涙の跡は無かった。
続く