「そう・・・彼で間違いないでしょう。」
「あの子が・・・あの可哀そうな私達の赤ちゃんが・・・先生には見えるのですね?」
奥さんはこれ以上ないというくらいの笑顔で私とご主人を交互に見ながら言った。
「正確に言うと・・・彼に見せられているという感じかな?アピールして来ているんですよ・・・彼が。」
「えっ!やっぱり怒っていて、何か言いたいのですか?」
奥さんの精神状態は物凄く不安定だ。
「馬鹿だな・・・先生は言ったろ?俺達の赤ちゃんは、心配して出て来てくれたんだよ・・・ねっ!井口さん」
ご主人のナイスフォローであった。
「そうです・・・奥さん、貴女を心配しているんですよ。」
「ああ・・・・・・・良かった。本当に」
この奥さんの精神状態を考慮した物言いをしながら解決しなければ・・・今回はそう思った。
「お子さんの名前は何とつけました?彼は自分の名前は知りません・・・だから教えてあげましょう。」
私はそう言って立ち上がった。そして隣の部屋・・・私がここを訪れた時にすぐ感じた隣の部屋へ勝手に向かった。
「先生は何でもお見通しだ・・・そこに名前を書いた物が置いてあります。」
ご主人は慌てて立ち上がり、その隣の部屋とのつながりのドアを開けた。
続く