「近藤さん・・・大樹君はとても良い子でした。世の中には、なかなかお子さん恵まれずに、不妊治療などをされる方がたくさん増えてきています。
しかし、それにはお金もたくさん掛かるし、時間も、奥さんの苦痛も相当掛かります・・・そして何よりもご主人の相当な協力も必要になってくるのが現実です。
近藤さんの場合も、年齢的に考えれば、相当なショックを受けて当然です。
しかし・・・そこで泣きくれていても何も解決しません。
お子さんもそれを望んでいません・・・それを大樹君が教えてくれました。私も大樹君に教えてもらったのです。
悲しい・・辛い・・・だったら、もう一度その子に生まれてきてもらいたいと、心の底から望んであげればいいのです。
それも暗くなったりせずに、前向きな気持ちになって・・・ね。
それがこの世に生を受けたかった子供への償いではないでしょうか?
それが責任ではないでしょうか?
近藤さんは、大樹君の言葉を聞けました・・・この経験は誰でも出来る経験ではないでしょうし、誰かに話しても理解していただけないかも知れません。でも・・・それで構わないのかも知れない・・・
奥さんが元気になれば・・・そしてまた子供を作ろうと努力し始めている姿が、きっとみんなにはそれが答えに見えるものだと思います。」
「本当にそうですね・・・昨日まではもうこの世の終わりって・・・暗いに落ち込んでいたし、また子供を作ろうなんて、まったく考えられなかったですから・・・・でも、それでは未来が生まれないですし、主人にも申し訳なかった・・・貴方・・・ごめんなさい。」
奥さんはご主人に頭を下げて言った。
「いいや・・・僕こそ君の辛さを理解してあげられなかった部分もある。
男の考える子供と、女の考える子供の大きさの違いを、とことん教えられたし、知って良かった・・・僕こそ・・・ごめん。」
良かった・・・心の殻が壊れた・・・これでこのご夫婦は心配ないだろう。
「井口先生って・・・霊の事だけではないのですね?心の治療まで・・・カウンセラーのような所もあるんですね。」
奥さんが不思議そうに言った。
「そうです・・・究極のカウンセラーを、私は目指しているのかも知れない。そう思います。」
私はそう言い残して、近藤家を後にした・・・
後日伝では・・・7ヶ月後、奥さんは再び妊娠されて・・・
今では可愛い赤ちゃんが生まれたそうです・・・・
名前は・・・・「優樹」ちゃんと名をつけたそうです。その意味は、
優しい大
樹と言う意味でつけたそうです。
今度その「優樹」くんの顔を見に行こうと思っています。
再会の為に・・・・・・
完