我々は何事も無かったように2次会のカラオケBOXに移動した。
2次会にも相当数の方が、出席してくださいました。
その時に私をじっと見つめる視線がありました。
それは田中家の家族の目でした・・・
ああ・・そうか・・・あの件だな・・・
私はそう思いましたが、他の人達もたくさんいたので、なかなか切っ掛けが掴めなかったのです。
会はカラオケBOXにも関わらず、誰も1曲も歌わずに、自己紹介や、僕との関わりのはじめをそれぞれ順番に話し始めました。
田中家の順番が来ました。簡単な挨拶のあとに・・・
「あの・・・さっきの生霊の事なんですが、私に対してどう思って憑いているのでしょうか?教えてください。」
そう切ないほどの顔で聞いてきた。
みんなは、耳をダンボ(古い表現ですみません)のような耳で聞き言っていた。
「ああ・・・あの生霊のことね?良いかな?ここで言って。」
私はみんなの耳を気にして確認してみた。それほどの内容なのです。
「構いません・・・覚悟はありますので・・・」
お嬢さんはそう言った。
「お願いします。」
お母さんも知っているようで、お願いをしてきた。
「井口さん・・・私からもお願いします。娘に聞きましたが、心あたりがあって、それがもしその子なら・・・と不安がっていますので。」
私の知人の田中さんが言ってきた。父親として当然の要求だろう。
私は多少迷ったが言う事にした。
「その憑いている生霊は、貴女が大好きで・・・レズの感覚の気持ちです。何で私を避けるの?何で私を同じように好きになってくれないの?と・・・」
場は一瞬でシーンと言う空気になった。レズと言う言葉に・・・
「もし間違っていたり、心あたりがなかったらごめんね。」
私はそうつけたした。
「やっぱり・・・」
お嬢さんはそう言ったきり口を閉ざした。
「この先はまた後でね・・・これ以上はもう少し良く見てからにした方がいいかも知れないから・・・・」
私のその言葉に、田中さんのご主人は
「そうですね・・・こんな場ですみませんでした。」
そう言って締めくくった。
そして2次会は何事もなかったようにお開きになった。
続く