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過去のお話を読みたい場合は

カテゴリーを細分化して、お話別に何とかまとめました。
読みたいお話別にすべて読む事が出来ますので、そちらからお探し下さい。

  July/2008  

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水子の言葉に心救われる日 19

2008-05-25

「近藤さん・・・大樹君はとても良い子でした。世の中には、なかなかお子さん恵まれずに、不妊治療などをされる方がたくさん増えてきています。
しかし、それにはお金もたくさん掛かるし、時間も、奥さんの苦痛も相当掛かります・・・そして何よりもご主人の相当な協力も必要になってくるのが現実です。
近藤さんの場合も、年齢的に考えれば、相当なショックを受けて当然です。
しかし・・・そこで泣きくれていても何も解決しません。
お子さんもそれを望んでいません・・・それを大樹君が教えてくれました。私も大樹君に教えてもらったのです。

悲しい・・辛い・・・だったら、もう一度その子に生まれてきてもらいたいと、心の底から望んであげればいいのです。
それも暗くなったりせずに、前向きな気持ちになって・・・ね。

それがこの世に生を受けたかった子供への償いではないでしょうか?
それが責任ではないでしょうか?
近藤さんは、大樹君の言葉を聞けました・・・この経験は誰でも出来る経験ではないでしょうし、誰かに話しても理解していただけないかも知れません。でも・・・それで構わないのかも知れない・・・
奥さんが元気になれば・・・そしてまた子供を作ろうと努力し始めている姿が、きっとみんなにはそれが答えに見えるものだと思います。」


「本当にそうですね・・・昨日まではもうこの世の終わりって・・・暗いに落ち込んでいたし、また子供を作ろうなんて、まったく考えられなかったですから・・・・でも、それでは未来が生まれないですし、主人にも申し訳なかった・・・貴方・・・ごめんなさい。」

奥さんはご主人に頭を下げて言った。

「いいや・・・僕こそ君の辛さを理解してあげられなかった部分もある。
男の考える子供と、女の考える子供の大きさの違いを、とことん教えられたし、知って良かった・・・僕こそ・・・ごめん。」


良かった・・・心の殻が壊れた・・・これでこのご夫婦は心配ないだろう。

「井口先生って・・・霊の事だけではないのですね?心の治療まで・・・カウンセラーのような所もあるんですね。」

奥さんが不思議そうに言った。

「そうです・・・究極のカウンセラーを、私は目指しているのかも知れない。そう思います。」

私はそう言い残して、近藤家を後にした・・・

後日伝では・・・7ヶ月後、奥さんは再び妊娠されて・・・
今では可愛い赤ちゃんが生まれたそうです・・・・

名前は・・・・「優樹」ちゃんと名をつけたそうです。その意味は、しい大と言う意味でつけたそうです。

今度その「優樹」くんの顔を見に行こうと思っています。
再会の為に・・・・・・
                            完

Posted by kiyoman 14:42:12Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 18

2008-05-25

改めて私は大樹君の魂に向きあった。

そこには見た目は裸の赤ちゃんの姿をした大樹君が、はいはいの状態で私を見上げている。

「ママもパパも、もう僕を心配しないでね。平気だから・・・今回は僕は生まれない方が良かったんだと思う。だからもう一度、ママとパパの一番良い時に生まれてくるから、その時は、可愛がってね・・・お願い、約束だよ。」

私はそんな大樹君の、本当に最後の言葉を伝えた。

「うん・・・約束するよ。また会おうな、大樹!」
お父さんが力強く言った。

「うん・・・その時までママは、強くって明るい性格のママになっているわ!約束するからね・・・大樹ちゃん。」

奥さんの顔からは、精神的な弱さが微塵も感じられないようだった。

「じゃあ・・・大樹君。お別れだ・・・」

「おじちゃん・・・ありがとう。おじちゃんに来てもらえてよかった。ぼくの為じゃなく、ママの為にも・・・本当にありがとう。じゃあね。」

私は大樹君に向かって、浄化の印を結んだ。

大樹君の目の前に、なだらかな上へ昇る坂道が現れた・・・

光の路と言う感じだ・・・

緩やかな・・・それでいて真っすぐに上につながった光の路。

その坂を大樹君は、可愛い歩みを繰り返していく・・・はいはいをしながら、時折振り返り、ニッコリほほ笑む顔が印象的であった。

次第にその昇りゆく姿の画像は、小さくなっていく。

画面がフェードアウトしていく感じと言えば、お分かりになるだろう。

「近藤さん・・・大樹君は、ニコニコしながらあの世の路を昇って行きましたよ。ご安心を・・・・・」

「井口先生・・・本当にありがとうございました。こう言う事って、分るのと分らないとでは、残された者たちにとっては、恐ろしいくらいに違いがあります。それを・・・この度は痛感させられました。」

奥さんは、はじめの頃と、別人のような冷静な顔をしていた。

さあ・・・これからは、このご夫婦に、アフターフォローのお仕事だけだ。
                          続く

Posted by kiyoman 12:16:13Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 17

2008-05-24

「先生・・・最後に一言だけいいですか?」
奥さんが、縋るような目で言ってきた。

「はい、良いですよ。」

「大樹ちゃんも聞いてほしいの、貴方にもね・・・」
「うん・・・分った。聞くよ。」

ご主人にも聞いてくれと言う奥さん。

「私ね・・・こう言う日が来るとは思っていなかった・・・大樹を流産した時、何か体の一部を失ってしまった気がしたの。自分の・・・一番大切な部分。心・・・・それからと言う物・・・考えても無駄な事は十分わかっている筈なのに、毎日毎日考えて・・・時間が戻せたら、どんなに幸せか・・・なんて考える毎日だった。今日、井口先生が来て下さって、まさか大樹の気持ちを教えていただけるとは思いませんでした。
正直・・・霊能者ってどういう人か分らなかったから・・・それも不安でした。変な事や、かなしい事を言われたらどうしようとか・・・そんな不安もありました。でも今は・・・お会いできてよかったと、心底思いました。そして大樹ちゃんの、今日の言葉に、本当に心が救われた日でした。
井口先生・・・本当にありがとうございました。貴方・・・井口先生をお呼びする事を拒否しないでくれてありがとう。そして・・・大樹。思いっきり優しい言葉・・・ありがとう。現実には会えなかったけど・・・私のこの腕の中には、しっかりとあなたの重みを感じる事ができたわ。今日の日に感謝します。大樹ちゃん・・・また私達の赤ちゃんで生まれて来てね。さようなら・・・」


妙にさっぱりした奥さんの顔だった・・・憑きものが落ちたように。
でもこれで明日を元気に迎えられる。
これで良かったのだろう・・・

「うん・・・今日と言う日は、とても大切な「心救われる日」だったんですよ。それでは・・・大樹君を見送ってあげましょう。」
                            続く

Posted by kiyoman 08:43:15Comments(2)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 16

2008-05-23

「大樹君・・・私からも一言良いかな?今回は、私の呼びかけに、ちゃんと答えてくれてありがとうね。おじさんの話をよく聞いてくれたね・大樹君も苦しかっただろう?今いるそこは、とても寂しかっただろ?これで君をもう一度生まれ直すために上げてあげられる・・・良かったよ。」

「僕は平気だったけど・・・毎日・・・僕に話しかけるままの顔が、ドンドン変わっていく事が心配だった。
僕が何を伝えようとしても、伝わらなかったから・・・それが辛かったんだ。おじさんが来てくれなかったら、ママはどうなったか・・・な。でも・・・僕も軽くなったよ・・・やっと・・・もう一度神様の足もとに行く事ができる・・・ありがとう。おじちゃん・・・・」

大樹君は物凄く大人のような話し方をした。赤ちゃんの魂だからと言って、生まれる前の魂まで赤ちゃんだと思ったら間違いなのです。
魂は、この世に出て来てから赤ちゃんらしくなるだけなのです。

「大樹君・・・ママとパパに最後に言う事はないかな?」

「ママに・・・ママ・・・ママはちゃんと病院に行ってね。お腹の辺りが・・・なんか悪いみたい。今ならすぐに治ると思うから、必ず行ってね」

意外な大樹君の発言であった。

「奥さん・・・大樹君の今の言葉・・・思い当たる事はありますか?」

「あっ!あります・・・ここ2日くらい前から、胃が痛くて胃薬を飲んでいます。今日は鎮痛剤も飲んだくらいなのです。ただ・・・大樹の事があったものですから・・・そのせいかなと思っていました。」

「そうですか?彼は今 医者に行けば治ると言っていますから、必ず行ってください。」

「そうします・・・大樹が心配してくれたんですね?何よりものプレゼントですね。ありがとう・・・大樹。」

「大樹君・・・ママは約束してくれたよ。パパは心配ないかな?無いみたいだね・・・御苦労さま。さあ・・・もう一度・・・やり直しをしようね」

                             続く

Posted by kiyoman 22:01:06Comments(2)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 15

2008-05-19

「じゃあ・・・1週間だけのお別れの儀式で・・・大樹ちゃん、これはお別れではないのよね?」

「うん・・・お別れじゃないよ。もう一度とてもいいタイミングで生まれてくるためのやり直しと言う意味だから・・・もし 今回そのまま生まれていたら、おそらく一生ママとパパは苦労したはずだよ・・・だから 良かったのさ」

「そうなんだ・・・それで、それじゃあ今回は神様があなたや私たちを思ってしてくれた事だと考えればいいのね?今まで私は神様を怨んでいた・・・馬鹿な行為ね。本当に・・・大樹ちゃんに教えてもらった事が一杯・・・なんかすっきりしたわ。ありがとう」

「このおじちゃんのお陰だよ・・・僕が話しやすいんだもん・・・楽なんだ・・・なんか気持ちが・・・僕が楽にあの世に行けるように助けてください・・・おじちゃん」
これは私への伝言のようだ。

「うん・・・大樹ちゃん、それは私がカバーするから心配ないよ。」

「ありがとう」
大樹君が言った
「ありがとうございます」
奥さんが言った
「ありがとうございます。先生」
ご主人が言った。

3人が同時に言った・・・そして奥さんとご主人は見つめ合いうなずき合っている。

私は2人に大樹ちゃんの同じ事を言った事を伝えた。
「なんかすごく元気が出ました!やる気が・・・また頑張れる気がします。」

「いえ・・・頑張る気では駄目です。頑張らなければ・・・ね」
私は笑顔でそう言った。
「はい!頑張ります。大樹の優しさにも答えなきゃ・・・ね。」
    23日まで続きはお待ちください

Posted by kiyoman 11:34:47Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 14

2008-05-19

本文の前に
このブログが大幅に改善されるようです。
それで20日から23日14時くらいまで、書き込みが出来なくなるという事です。
回覧はOKのようですので、この時期に今までの私のお話を振り返ってくだされば幸いと思います。笑

本文
「パパ・・・大丈夫だよ。生まれ変われると思うよ・・・でもね、生まれ変わる訳ではなく、今回はママとパパの子供で生まれる時期じゃなかったみたいなんだ・・・だから、もう一度ママとパパの子供で生まれるように祈っていて・・・ねっ!」

「じゃあ・・・もう一度私達の赤ちゃんで来てくれるの?」

「そうなるように頑張るから、祈っていて・・・神様にね。」

「分ったわ・・・神様に祈るは・・・これから毎日・・・」

「でも・・・・・」
「でも・・・どうしたの?」

「ママとパパがそう思ってくれるのは凄く嬉しいよ・・・でも、あんまり僕の事・・・大樹が戻ってくると思いすぎないで欲しいんだ・・・」

「なぜ?なぜなの・・・大樹じゃダメなの?」

「違うよ・・・大樹は今回の僕の名前でしょ?次にもし生まれてくる時は、別の魂として生まれるんだから、大樹って名前は付けられないと思うんだ・・・それに、ママはその事ばかり考えている・・・それは良くないから、あまり集中しないで・・・それをお願いしたいんだ。」

「貴方の方が・・・大人じゃない。まるで逆になっちゃうじゃない・・・の」

奥さんの両方の目から涙があふれた。

「ううん・・・ママのためだよ。ママのお腹には、すぐに新しい魂がやって来るはずだよ、だから・・・大樹じゃなく、赤ちゃんと呼んで欲しいんだ。ぼくの記憶が・・・今の記憶が消されて来るのに、ママが大樹の生まれ変わりよと思いすぎると、その時の僕が可哀そうでしょう?」

「そうだな・・・澄子、大樹は我が家の亡くなってしまった長男だ・・・だから次に宿る赤ちゃんは二男と思うようにしよう。
それで良いんだよ。大樹は二人いない、それに大樹もまたお前のお腹にすぐに赤ちゃんが宿ってくれると言ってくれているんだから・・・それが大樹の言いたい事だよ」


ご主人が奥さんを諭すように言った。

「分ったわ・・・私もそう思うよ。大樹ちゃんがそう望むなら、ただ1週間だけはお線香をあげてひたらせて?お願い・・・そうしたら元気になるから。大樹ちゃんに約束する。あなたにも約束する。だめ?」
「分ったよ・・・その間に僕ももう一度上がるから・・・いいよ、ママ。」
               続く

Posted by kiyoman 00:51:38Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 13

2008-05-18

「それでは始めますか・・・」

私はそう言うと、両手を合わせて思念を飛ばした・・・

そこにいる大樹君の魂と・・・気を接続させるために・・・

私の思念は、大樹君の意思で早めにキャッチされた。
逆に人間の垢が付いていない分、能力の高さは、大人より凄いと感じた・・・

見た目とは大違いだ・・・
よく子供のころの方が、霊が見えたりするものです。
大人になってその能力が無くなってしまう。
これと同じ事だと感じました。

「今・・・大樹君とつながりましたよ・・・さあ 会話を・・・伝えたいことなどを言ってください。」

「大樹・・・大樹って呼んでもいい?」

奥さんがまずはこわごわと聞いた。

「うん・・・僕は大樹だよ・・・それで呼んでね。」

「ありがとう・・・大樹。怒っていない?あなたを生んであげられなかった事を。」

「なんで怒ることあるの?だってママの責任じゃないじゃない・・・しょうが無いさ・・・」

「あなた・・・優しいのね。やっぱり顔を見たかったわ。」

「僕からはママたちが見えるよ。あんまり考えないでね・・・また生まれ直してくるだけだからさ。」

この時の大樹君の姿は、裸で四つん這いになり、上を見上げている状態です。

「大樹・・・パパだよ。本当に優しい子だな・・・生まれ変われるのか?ちゃんとこの世に生まれ変われるのか?」

ご主人も身を乗り出して聞いた。
少し声が上ずっていたのが印象的だった。
               続く

Posted by kiyoman 02:57:00Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 12

2008-05-17

「井口先生・・・何にも言わないでください。私たち夫婦は、間違いなく信じておりますから・・・井口先生の入って来た時からこの家の空気が、一気に変わったのは、私たちが一番分かっているのですから・・・私がこんなにまともに話が出来る事自体、主人が一番びっくりしていると思いますから・・・」
奥さんはそう言って笑いながら言った。

「本当ですよ・・・昨日までは妻と話をしていても上の空と言うか・・・話がかみ合わない事ばかりでした・・・だから自然と会話も少なくなっていたくらいですから・・・こんなにしっかり話が出来るのは、あの日以来かな・・・本当に、なっ!」

ご主人も釣られて笑いながら言った。

「本当にそうだね・・・会話が楽しい。かなしい気持ちがどこかに行っちゃった感じだもの・・・」

「そうですか・・・信じてくれたなら、私も全力投球しますよ。それでは会話方式でやりましょうか?私が大樹君の通訳士になりますから、質問して言ってください。いいですか?」

これは私の得意な、死者の遺言と言う手法です。通常の遺言は、生きている時に残す遺言ですが、私の場合は、死者から現在の状況での言い残しや、伝えたい事を伝える事をします。
それが死者になってからの遺言と言う訳です。

「そんな事が出来るのですか?嬉しい・・・それが一番うれしいです。」
奥さんはソファーに座り直すくらい喜んでいた。

「イタコのように、声まで真似をする事は出来ませんが、恐らく心当たりがある事が聞けるのではないかと思いますよ。」
               続く
              

Posted by kiyoman 01:08:43Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 11

2008-05-16

「不安を・・・埋めてください。お願いします。」
ご主人が深く頭を下げた。

「大丈夫です。私の方をじっと見てくれていますから・・・大樹君は」

「でもですね・・・先生・・・変な質問をしてしまいますが教えてください。あの子はまだ生まれても来なかった訳です。私が見せていただいた亡骸は、リポビタンの箱に納められていたサイズです。もちろん言葉なんかも喋れない段階でした。それでも先生は、話しかけられるのですか?聞こえるのですか?言葉が・・・すみません。失礼な質問をして・・・・・」

ご主人は、最後に名前を決める段階で、お子さんの亡骸と対面をしていたのです。

だいたい奥さんにはショックが大きいため、ご主人が対面するという事がほとんどです。
その姿を目にしていたら、尚更の質問でしょう。

「近藤さんの質問はごもっともです。説明しますね・・・言葉とは、産まれた後の環境でつくアイテムです。たとえばアメリカ人でも、日本に生まれ育てば日本語で話します。その逆に、日本人でもアメリカで生まれ育てば、英語で話す子供になります。
大樹君も、産まれては来ていませんので、口で言葉は喋りません。というか・・・霊を私が呼び出す時は、ほぼ口で会話はして来ません。でも・・・頭に入って来るんですよ・・・その言葉や意思が・・・聞いた事はありますよね?テレパシーって、あれだとおもいます。意識して考えてはいませんが、それだと思います。彼は・・・大樹君は、その魂でしっかり語りかけて来てくれています。そして・・その姿形は、都合のいいような大きさで・・・本当に都合がいいかも知れませんが、赤ちゃんのサイズで・・・そして裸で・・・・」


* この件は、信用できない方は無理して信用しようとしなくて結構です。
あくまでも私の頭の中の出来事ですから、批判されればそれに反論はしません。
              続く

Posted by kiyoman 01:19:38Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 10

2008-05-15

「さあ・・・楽になったでしょう?急激に感情の起伏を起こさせてしまいましてすみませんでした。」

「いいえ・・・大樹が・・・大樹が怒って無かった事が聞けただけで・・・・幸せです。謝る事なんてありません。」

奥さんが隣の部屋を見たままの状態でそう言ってくれた。
隣でご主人も大きくうなずいている。

「でも・・・これからですよ。大樹君からのメッセージを伝えるのは・・・これからは緩やかにお伝えしますから。」

「大樹からのメッセージ?そんな事まで教えて下さるんですか?」

奥さんはバッ!というくらいのスピードでこちらを見た。
その顔は、生き生きしていた。
先程までの、どんより澱んだまなざしとは別人のような強い意志の宿った瞳をしていた。焦点がガッチリあっている。

「私・・・何で昨日まであんなに・・・気力もわかないし無感情・無関心になってしまっていたか・・・分る気がしています。
まずは大樹が私たちを怒っていないか、それから大樹はどうなるのか?成仏出来るのだろうか?そして・・・大樹って言う名前を、私たちが付けなければ、あの子の運命は変わっていたのではないか・・・色々・・・物凄く考えていました。でも・・・それって考えても考えても答えが出てくるわけがないのに・・・それが分かっていても考えてしまうから・・・心が疲れてしまう・・・そんな感じだったんです。でも・・・今こうして井口先生にお聞きして、その得る事の出来なかった答えに行き当たった・・・そう思っただけで・・・何だろう・・・うまく言えませんが・・・心に詰まっていた壁が、綺麗に取り除かれた気がするんです。怒っていない・・・それだけでも嬉しいのに・・・」

近藤澄子さんは一気にしゃべった。
隣で聞いていたご主人の近藤富雄さんもびっくりするくらいの勢いで・・・

「奥さん・・・その不安を・・・全部埋めましょう。それが奥さんのためだし・・・大樹君の為です。

私も力強くそう言った。
               続く

Posted by kiyoman 00:45:14Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 9

2008-05-14

畳の上を見つめてかたまる近藤さんご夫婦。

「さすがに見えるようにするのは無理のようですね・・・我慢してください。ただ・・・言葉を伝えますよ。」

私は棒立ちにかたまるご夫婦を、ソファーに誘導した。

「じっと見ても見えるものではありません。心の目で見る事が必要なのです。」

「心の目・・・・ですか・・・」
「あまり見る事い固執しないように・・・大事なのは感じる事ですからね。」

私はそう言って、二人の金縛りを解いた。
               続く

Posted by kiyoman 02:28:56Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 8

2008-05-13

隣との境目のドアが開かれた。

そこは少し前までの奥さんの苦悩が渦巻いていた。

そしてその先の、小さな箪笥の上に、可愛いおもちゃがあり、その横に・・・悲しげにお菓子とジュースが置かれていた。

一体何日間・・・・奥さんはこの部屋で苦悩の時間を過ごしたのだろう・・・

そしてそこには、私の求めていた物があった・・・それは
「近藤大樹」と書いた紙が立てかけられていた。

「彼の名前は・・・近藤大樹くんですね?良い名前だ・・・・」

「ありがとうございます・・・まさかあそこで急に名前を求められるとは思っていませんでしたので・・・妻にも聞かずに付けてしまった名前で・・・本当にこんな名前で良かったのか・・・もっといい名前があったのでは無かったか・・・とずっと悩み続けてしまいました。本当に井口さんはいい名前だと言ってくれますか?」

いつのまにかご主人が今度は泣きだした。

相当悩んだのだろう・・・答えの決して出ない悩みに押しつぶされていたのだろう。

「ええ・・・私は勿論・・・彼も喜んでいますよ。二人で呼んであげてください。」

私はニッコリ笑いながら言った。

「はい!」
ご主人はそう言って奥さんの顔を見た。
そして2人は同時にうなずいた。

小さな声で「せーの」と言って

「大樹ちゃん!」「大樹!」

この時の2人の顔は、心に引っかかっていた物が、落ちた顔をしていた・・・
エクスタシーという顔だろうか。

「いまここで・・・はいはいして聞いていますよ。」
私が指さした場所は、お菓子やジュースが置かれた箪笥の前だった・・・
               続く

Posted by kiyoman 00:50:33Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 7

2008-05-12

「そう・・・彼で間違いないでしょう。」

「あの子が・・・あの可哀そうな私達の赤ちゃんが・・・先生には見えるのですね?」

奥さんはこれ以上ないというくらいの笑顔で私とご主人を交互に見ながら言った。

「正確に言うと・・・彼に見せられているという感じかな?アピールして来ているんですよ・・・彼が。」

「えっ!やっぱり怒っていて、何か言いたいのですか?」
奥さんの精神状態は物凄く不安定だ。

「馬鹿だな・・・先生は言ったろ?俺達の赤ちゃんは、心配して出て来てくれたんだよ・・・ねっ!井口さん」

ご主人のナイスフォローであった。

「そうです・・・奥さん、貴女を心配しているんですよ。」

「ああ・・・・・・・良かった。本当に」

この奥さんの精神状態を考慮した物言いをしながら解決しなければ・・・今回はそう思った。

「お子さんの名前は何とつけました?彼は自分の名前は知りません・・・だから教えてあげましょう。」

私はそう言って立ち上がった。そして隣の部屋・・・私がここを訪れた時にすぐ感じた隣の部屋へ勝手に向かった。

「先生は何でもお見通しだ・・・そこに名前を書いた物が置いてあります。」

ご主人は慌てて立ち上がり、その隣の部屋とのつながりのドアを開けた。
                続く

Posted by kiyoman 00:47:46Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 6

2008-05-10

「泣きたい人・・・まさか?」

奥さんは私の腕を強く掴んで叫んだ。

「そう・・・もう彼には人格がありましたから・・・」

「彼?・・・・貴方・・・・」
奥さんはご主人に顔を向けた。

「先生・・・私がお答えします。」
ご主人が代わりに答えた。

「赤ちゃんは何ヶ月で流産しました?」

「あっ・・・は・・・い。確か5ヶ月をまたいだ頃です。」

「それでは名前を決めさせられたのではありませんか?もう一人の人間として供養するために・・・」

「先生はなんで知っているんですか?そうなんです・・・医者から言われました。死亡届も出さなければいけないのだと。」

ご主人は心底驚いたようである。

「こんな仕事をしていますと、聞く事がありますので・・・それでご主人は性別も確認したのでしょう?それでなければ名前は決められないはずです。」

「そうです・・・男の子です・・・お・男?彼・・・そうです 彼です先生!!」

ご主人は私が彼と言った意味を、今 気がついたようだ。

「本当にあの子なのね?先生・・・」

奥さんの頬にはもう涙の跡は無かった。
              続く

Posted by kiyoman 23:38:21Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 5

2008-05-09

サンドイッチとコーヒーをモリモリと頂いてから、ベランダでタバコを一服させてもらった。(今だ意志が弱いために喫煙者です。すみません)

リビングに戻ってソファーに座ると同時にご主人が話しかけてきた。

「井口さん・・・妻がいま言っていたんです。何か井口さんがこの家に入って来たと同時に、肩や頭がぐっと軽くなったのだと。ずつと続いていた耳鳴りも無くなったそうです。」

私は奥さんの顔を見た。

「うん・・・良かった。それで良いんですよ・・・その矛先は私に向きましたから」

驚くようにご夫婦は私を見た。

「心配いりませんよ。私に語りかけているものは、とても友好的ですから苦痛はありませんから・・・それに私の仕事ですから心配無用です。」

「友好的なんですか?本当に?」
ご主人がソファーの背もたれに大きくもたれながら言った。

それと同時に奥さんが泣き始めた・・・

「すみません・・・でも心配しないでください、井口さん。この涙はうれし涙なんです・・・凄く嬉しい・・・何でだろう・・・なんでこんなに涙が出ているのに話が出来るのかな・・・・変ですよね」

奥さんがミニタオルで顔を覆いながらそう言った。

「はい・・・心配していませんよ。安心して泣いて下さい。泣きたい人がもう一人いるようですから・・・・」

その一言で、奥さんは涙でくしゃくしゃの顔を上げた、そしてご主人と見つめあった。
アイコンタクトなのだろう・・・
              続く

Posted by kiyoman 23:55:17Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 4

2008-05-09

それでも今回の仕事は、私にとって気が重い仕事ではなかった。
それは相手が悪霊ではなく、心ある魂だろうからです。

15分ほどで近藤さんのお宅に到着した。

玄関に入ると、お線香の香りがプーンと漂ってきた。

この重い空気・・・その原因ははたして・・・

この家の、この重たく暗い気は、霊の出しているものではない。
これは人の出している気だった。
奥さんの思いの気だろう・・・

私は無意識にご主人を見た。
ご主人は無言でうなずいた・・・おそらく私の質問が分かったのだろう。

リビングに通された私は、隣の和室をすぐに見てしまった。

そこが気の元になっている・・・
これは私でなくとも、素人の方でも嫌と言うほど分ってしまう事だろう。

しかし・・・私の仕事はそれを言い当てに来た訳ではないのだ・・・

「井口さんはもう分っていらっしゃるんですよね?」

ご主人がこう切り出した。

「ええ・・・ですから遠慮なくお話し下さい。依頼の内容も含めてね。」

「先生・・・お昼食べましたか?私 サンドイッチを作りましたので、食べませんか?」

奥さんが出来るだけ明るくふるまっているのが痛々しい感じがした。

「頂きますよ・・・立ち食いソバだけ食べてきましたが、まだまだ入りますから」

「先生が立ち食いソバを?本当ですか?」

どうも奥さんは、私が普段相当なぜいたくをしているように考えているらしい・・・

それは大きな間違いだ・・・ハンバーガーも食べに入るし、ドトールみたいなコーヒー屋さんも好きですし。

「普通の人間ですからね・・・同じですよ。TVで取り上げられるような先生とは違いますから・・・それにサラリーマンでしたからね。」

その私の説明を聞いていて、奥さんがはじめて笑った・・・物凄く熱心に説明する私が可笑しかったらしい。

理由はともかく、笑ってもらえたので良かった。リラックスさせなきゃいけないから
              続く

Posted by kiyoman 00:21:14Comments(2)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 3

2008-05-07

待ち合わせの土曜日がやってきた。
私は指定された駅に電車で向かった。

私は基本的に、仕事は電車を使っています。
東京は、駐車場を見つける手間を考えたら、電車の方が便利な事もありますが、霊を触った後に、運転上何かあったら大変だという事があります。
これほど怖い事や注意が必要な事も、稀にあるのです。

私は改札を出た所で待っていた。
私からは近藤さんが分からない・・・
近藤さんからは私が分る・・・

だから見つけてもらうしか無いのだ・・・
この時間が一番嫌な時間です・・・汗

程なく30代初めくらいのご夫婦が私の前に現れた。

「井口先生・・・近藤です。」

「はい・・・こんにちは 井口です」

「今日はわざわざ ありがとうございます。では、こちらに車を回してきますのでお待ちください。」

そう言って近藤富雄さんは奥さんを残して走って行った。

「井口先生・・・今日は本当にありがとうございました。主人に聞いて・・・嬉しかったです・・・子供の・・・の一言が凄く嬉しかったと・・・あの日二人で泣いてしまったんです。」

そこに立つ奥さんの近藤澄子さんは、相当憔悴しきった顔をしていた。

「そうですか・・・でも奥さん、まだ終わっていませんからね。これからですよ・・・これから」

そう言って笑ってあげたら奥さんは涙ぐんでしまった・・・

「ご・ごめんなさい・・・こんな場所で・・・誤解されてしまいますよね・・・本当にすみません。」
奥さんが涙をぬぐいながら頭を下げた。

確かに見ようによったら別れ話をしている不倫カップルのように見えてしまうかも知れない・・・辛い・・・でも

「もう直ぐその悲しい気持も癒えますからね。」

「はい・・・そう思います。あっ!主人が来たようです。」

目の前に白い車が止まった。それは大きめなワンBOXカーであった。

これから増える家族を想定して買ったのだろう、ファミリーカーであった。
それがより一層悲しさを物語っていた。

私たちはその車に乗った。
              続く

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水子の言葉に心救われる日 2

2008-05-07

「産婦人科ですか・・・それなら分りました。」

「えっ?分りましたって・・・まだ何にも説明していませんが・・・それに駄目って事でしょうか?」

「いえ・・・聞かなくても分ったからです・・・まあ 大まかな部分ですがね」

「あの・・・大変失礼ですが、お会いしていただけるんでしょうか?」
ご主人は訳が分からなくなってしまっているようだ。

私も言い方が、たまに悪い時がある・・・申し訳ないです。

「はい。お会いしますよ。ご安心ください。奥様にもそうお伝えください。」

「あ・ありがとうございます・・・本当に」

急にご主人の声が大きくなった。きっと隣で奥さまが息を殺して聞いているのだろう。

「それでは・・・今週の土曜日はいかがですか?」

「そ・そんなすぐに見ていただけるんですか?!」
これまたさらに大きな声が受話器の向こうから返ってきた。

「ええ・・・ちょうど空いていたし、奥さまの精神状態を考えたらすぐの方が良いと思いまして・・・お子さんも伝えがっているようですから。」

「先生・・・お子さんて・・・まさか・・・今回の?」

「そうですよ・・・それでは土曜日にお会いしましょう。」

待ち合わせ場所と時間を簡単に決めて電話を切った。

「これで少しは奥さん元気が出るかな?」

 電話に向かって独り言を言った。
                続く          

Posted by kiyoman 00:47:17Comments(0)TrackBack(0)

水子の言葉に心救われる日 1

2008-05-05

この物語は、若いご夫婦からの依頼で、私が受けた仕事でした。

もしかすると、皆さんの中にも身近なお話ではないかと思いますので、お読みください。

あるご夫婦、近藤家の夫妻が、私に連絡を取って来られたのは、秋が深まった頃でした。

「はい。井口です・・・」

「井口さんですか?私 近藤澄子と申します。中山さんから先生の事をお聞きしまして連絡をさせて頂きました。」

「中山さんですか?そうですか・・それで?」

「あの・・・電話ではうまく伝えられそうにないのでお会いしていただきたいのですが・・・・」

近藤澄子さんは、受話器の向こうで今のも泣きそうな声を出していた。
相当まいってしまっているご様子でした。
すると・・・

「あの・・・私 近藤富雄と申します。妻がうまくお伝えできそうもないので、私がお話しさせて頂きます。」

どうやら見かねたご主人が電話を変わったようだ。

「そうですね・・・それでご相談はやはりお会いしてからになりますか?」

「まあ・・・その方が詳しくはお伝え出来るとは思いますが・・・先生がご不安になって断られたらと・・・心配になりまして電話を変わったのです。簡単に私からお伝えします。」

「そうですね・・・出来れば簡単には教えてください。もしかするとお伺い出来ない内容かもしれませんから・・・」

少し意地悪のようだが、実際に断らなければいけないような事もありますから。

「あの・・・そう言う可能性も・・・やはりあるのですね?」
ご主人は一層不安そうな声のトーンになった。

「いえ・・・可能性は少ないですから・・・とにかく教えてください。簡単にでも・・・ね」

「分りました。実は4日前に妻は病院から退院して来たばかりなのです。」
「病院?何かのお病気で?」

「いえ・・・産婦人科からですが・・・」
              続く

Posted by kiyoman 23:25:30Comments(1)TrackBack(0)

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言霊の伝言師

言霊の伝言師
名前 井口 清満
性別
自己紹介 霊関係の仕事に携わっていますが、中身はいたって普通の人間です。
どちらかというと、明るくてポジティブな人間です。
皆さんの期待しているような格好をしていませんし・・・笑
趣味 映画鑑賞
スポーツ
アート
出身地 東京都
居住地 東京都
好きな
食べ物
バナナ・あんみつ・お肉系・・・
ピーマンは大っ嫌いです!!

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