pagetop

プロの占い師が集う[占いブログ]


過去のお話を読みたい場合は

カテゴリーを細分化して、お話別に何とかまとめました。
読みたいお話別にすべて読む事が出来ますので、そちらからお探し下さい。


最新トラックバック


乗り捨てられた放置自動車 22

2008-02-29

改めて車の横に回り、フロントガラスの窪みの部分に手をかざした・・・

毛利さんの残された意識に焦点を合わせる

見つけた・・・先ほど話した毛利さんではなく、ここに残った恐怖の記憶でフリーズしてしまった魂の鎖・・・

これを解かなければいけない。
この鎖が、この車に毛利さんを閉じ込めてしまったのだ。

私はその鎖に向かって念気(ねんき)を絞り込んだ・・・

{ブチン! ガチャリ・・・}
そんな音が聞こえてきそうな感触・・・

私の眉間に 深く刻まれた皺に 額からツーッと汗が流れ落ちた。

その瞬間だった・・・気がつかなかったが急に薄暗くなっていたその空から、一気に大粒の雨が降りかかった。

「うわーっ!すごい雨だ・・・」
「きゃ!このタイミングでの雨は?」

そう言ったきりで、誰もその場を動く事は出来なかった・・・
「さあ 毛利さん・・・貴方は動けるようになったはずです。事故現場に帰ってください。必ず私が 3日以内に現場に向かいますから・・・」
そう言って自由になった毛利さんに向かって笑った。

「ありがとうございます・・・これで帰れる・・・あの場所に・・・あの場所でもここよりは近い・・・家族の近くへ帰れる・・・お待ちしています。助けてください・・・みなさん・・・本当にすみませんでした・・・」

毛利さんはその瞬間消えた・・・その気がこの車から消えたと言う意味で・・・

「さあ・・・急いで帰りましょう。みんな風邪を引いてしまいますから」
私は笑ってみんなに言った。
みんなは呆気に取られながら、やっと動けるようになったように頷いた。

そこから50mも歩いただろうか・・・通り雨だったのだろう。
その豪雨は 止んだ・・・
                 続く

Posted by kiyoman 00:15:55Comments(2)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 21

2008-02-27

「私は・・・ただあそこに帰りたかっただけなんです。こんな所に居たくない。死んだのなら受け入れる・・・家族が待っている処へ・・・帰りたい・・・」

そう言って黙り込んだ・・・

「じゃあ、約束は守ってもらえますね?私が貴方の魂をこの車から解放します。そして事故現場に行って魂を浄化させます。そうしたら貴方はこの人たちには危害は加えない・・・それでいいですね?」

「き・危害か・・・そう思われていても仕方のない事か・・・実際 俺は一人に危害を加えた訳だから・・・いつのまにか自分の事ばかり考えて・・・人に危害を・・・あの私を轢いた奴と同じになってしまっていたんだな・・・申し訳ない・・・本当に申し訳ない・・・情けない・・・」


「私はその危害を加えられた者の妻です。でも・・・怒ってはいません・・・だから心配しないで・・・」

近藤さんの奥さんが鼻をすすりながらそう言った。

「そうおっしゃっていますよ・・・。ちなみに貴方のお名前と事故現場を教えてください。じかにお宅の住所を聞けば早いのかも知れませんが・・・」

「井口先生・・・そうですよ。住所を聞いて家族の方に知らせましょうよ。我々で・・・」

小暮さんがそう言ってきたが、私は静かに答えた。
「もし・・・私たちが家族に伝えに行くとして・・・どうやって?話の切っ掛けは?
まだ未解決事件なんですよ、この事故は・・・そこに我々が被害者にここの住所を聞きましたじゃ・・・家族や警察はどう思いますか?まだ日本では認められていない霊能力者の言葉を聞くどころか・・・いつの間にか犯人として疑われてしまうのが現実です。だから・・・だから彼には申し訳ないが、そこまで携われない・・・悲しい現実です。」

私の言葉を弱気な発言と捉えられるかも知れないが、リスクは冒せなかった。
国家権力に立ち向かうだけの強さは持ち合わせていない・・・今の私には。

「そうですね・・・無理はしなくても良いです。私は帰れれば・・・名前は毛利利治(仮名)と申します。○○県○○市○○です。自宅はそこからすぐです・・・」

「分りました、毛利さん。私の出来る事は全力でやります。そしてその後・・・そこの現場に行きます。待っててくださいね。それでは・・・」
                 続く

Posted by kiyoman 00:42:38Comments(0)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 20

2008-02-26

車に向かって左手のガラス片を差し出した。
そしてその手の中のガラス片を車のボンネットの上にそっと置いた・・・

静かに印を結ぶ・・・・・・・・・・・

今度は右手をボンネットの上に置いた。

車の記憶と、そこに残る苦悩の記憶にシンクロする。
見つけた・・・チューニングOK。

「貴方はこ車を知っていますね?」
私はそっと少ない記憶に向かって話しかけた・・・
「そうです・・・この車の奴は・・・奴は許せない。」

「貴方はどこでこの車に?貴方はまだそこにそのまま居るのではないですか?」

「そうです・・・こんな遠い所に来てしまった・・・心と体がバラバラだ・・・」

「いえ・・・残念ながら体の方はもうすでに・・・荼毘に臥されてしまっているでしょう。」
「知っている・・・さすがにこの孤独を味わったのだからそのくらい・・・でも帰りたい・・・あの場所に・・・」

「そこの導いて下さい。場所を教えていただきたいのです。私が連れて行きましょう。」

「本当に?本当に帰してくれるのですか?」

「はい・・・この私が。その代り条件があります。」
「この人たちの事だろう?迷惑を掛けた・・・分っている。でもあの子供たちが可愛くてな・・・私の孫と同じくらいの歳だったので・・・つい」

「じゃあ初めから子供達に危害は加えるつもりは無かったのですね?」

その言葉に一同の親御さんは顔を見合せて、そして車に向かって・・・見えない被害者に向かって手を合わせた。

* ここでの被害者の声は、私の通訳で伝えていました。
               続く

Posted by kiyoman 00:20:08Comments(0)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 19

2008-02-24

「みなさん・・・これから私がする事は、申し訳ありませんが事件解決の為ではありませんし、助けにもならないと思います。ただ皆さんもご推察のとおり、この車によって悲劇がおこり、そして被害者が出ているようです。私はこの被害者の声を・・・いえ気持ちを聞きます。そして気持ちを鎮めてあげようと思います。
そうすれば皆さんに願った被害者とのは切れると思います。あとは念のために警察にみなさんから届けてください。いいですか?」

「はい・・・私たちに期待された仕事は、やりと退けてあげられるのですね?」

小暮さんが言った。

「そう思います。」
「お願いします・・・聞いてあげてください・・・可哀そうですから・・・本当にこんな事があるなんて信じられません。」

「誰かに見つけてもらいたかったのですね?誰かに知ってほしかったんですね?悔しかっただろうに・・・」
近藤さんの奥さんが涙ぐみながら言った。

「そうだと思います。見つけて欲しかった・・・その気持ちが強く伝わります。」

「改めて お願いします。被害者の鎮魂を・・・」
道橋さんがみんなを見回した後にそう言った。

「分りました・・・井口 頑張ります!」

私は笑みを浮かべながら車に向きなおった・・・車の前方部分に立つ。

               続く

Posted by kiyoman 19:18:38Comments(0)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 18

2008-02-23

後ろへ下がった私は、握りしめた左手をそっと開いた。

さて・・・これからだな。
私は改めて車の前方に出た。

その時一人だけついてきた。

確か車関係の仕事をしているご主人だった。

そのご主人は、他の人と違い、車のボンネットの先の方を念入りに見ていた。

「やっぱりだ・・・ここに擦過傷があります。見てください・・・」

私は指を指された場所に目を向けた。
そこには何かを強く擦ったような跡が、確かについていた。

「そしてこの辺りの凹み・・・これは明らかに・・・・事故車です。仕事柄何度か見た事がありますから・・・」

言われてみたら確かに凹みが確認できた。それに風雨にさらされてしまっていたとは言え、傷部分には、グレーの色が付いていた・・・おそらく・・・衣類の色がついたのだろう・・・その位置から顔を上げた先には、凹みのあるフロントガラスが私を見降ろしていた。

「うーん・・・さすがは車のプロですね」

「いえ・・・私が分るのは、この車がどういう経緯の車かと言う事だけです・・・井口さんのように、この先は分りませんから・・・解決には繋がらないですよ。井口さん・・・どうかこの先はお願いします」

その話を皆が聞いていた・・・そして同時に頭を下げた・・・

みんながこの車の経緯を察したのだろう。
そして恐怖が改めてこみ上げて来たのだろう・・・
               続く

Posted by kiyoman 00:25:03Comments(1)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 17

2008-02-22

それでも私の後ろから離れずに付いてくる一団
及び腰が少し可笑しい・・・
しかし この場合は笑ったらいけない。

車に到着した・・・

ナンバーは前も後ろも取り外されて無かった。

そして前に回った私は、そのフロントガラスに目が吸い寄せられた・・・

場所は助手席の方の真ん中より少し上・・・
クモの巣状にひび割れた真ん中に、ちょうど頭くらいのへこみがくっきり浮かんでいる。

車はまだ古くない・・・

白の某メーカーの 2000ccの乗用車である。

私は助手席に回った。
中は多少暗いので、よく見えないが助手席のダッシュボードの上を見る。

私はポケットからハンカチを出して、ドアノブをそっと掴みドアを開けた・・・

「先生・・・大丈夫ですか?」

小暮さんが聞いてきた。
いつの間にかみなさんは車をぐるぐる回って見ていた。

もちろん問題のフロントガラスも、顔をしかめながら見ている。

「大丈夫です・・・まだこの段階で警察に通報しても仕方ないですから、もう少し確認しましょう。指紋も気をつけていますから・・・」

「指紋・・・そこまで考えていたんですか?冷静だな・・・さすがだ・・・」

「犯人扱いが面倒ですからね。さあ 見てください。外からでは雨で流されてしまって、赤い・・・そう血ですかね・・・確認出来なかったので、中から見てみましょう。」

この段階でもガラス片(子供達の宝物)は私の左手の中に握られている。

「見てください・・・おそらく子供たちか・・・放置した人間がドアの開け閉めの時の振動で、ひび割れたガラス片が落ちたのでしょう・・・何片か赤いガラス片が落ちています。」

「本当だ・・・極 薄くだけど・・・ピンク色だ・・・恐怖のピンクですね」

みんなも覗き込むように寄って来たので、私は後ろに下がった。
                 続く

Posted by kiyoman 00:04:06Comments(0)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 16

2008-02-21

左の路を選んだ我々は進んだ・・・

そこは思ったよりも奥へ行けばいくほど草の丈が高くなってきた。

それも現実の距離よりも、ずっと長く歩いているような錯覚を起こさせる感覚。

「周りには何にも無いですね・・・こんな所があるなんて・・・知らなかった」

みなさんは怯えながらも辺りをよく見回しながら歩いていた。

急に止まった私に、一同はびっくりした。

「先生!」
「あそこですね・・・このガラス片の本体は・・・」

そこはちょうど歩いてきた路を、ちょこっと右に曲がった小さな広場のような空き地だった。

「あった!有りました・・・」

みんなは騒いだがそれ以上近くには寄らなかった。

「私だけが行ってもしょうがないから、誰かついてきて下さい・・・」
私は車に意識を向けたまま、希望者を募った・・・
しかし 誰からも声が上がらなかった・・

「仕方ない・・・それじゃあ・・・近藤さんの奥さんと小暮さんのご主人・・・ついてきてくれますか?」

「先生・・・怖いです、わたし・・・」
近藤さんの奥さんが後ずさった・・・

「近藤家が今の時点では、一番被害をうけていますので、お願いしたいんですが」

「先生・・・みんなで行きましょう!その方がいいですよ やっぱり」

道橋さんが近藤さんの気持ちを汲んで提案した。
一同は深くうなずいた・・・

「仕方がないですね・・・みなさんの覚悟を理解しました。」

はじめから全員で行くことを勧めるべきだったかな?と思ったが・・・

結果オーライ・・・かな?笑
                 続く

Posted by kiyoman 00:48:42Comments(0)TrackBack(0)

乗り捨てられた放置自動車 15

2008-02-20

「いえ・・・スクラップにはなっていません。まだ記憶が途切れてはいませんから」

「そうですか・・・良かった・・・のですよね?」
道橋さんが何だかよく分からなくなったように返答を返してきた。

「そうそう・・・良かったんですよ。さあ行きましょう・・・ついてきて下さい」

スクラップ工場があるような場所は、そこから発する音や匂いなどのせいで、民家などが無い場所にあるものなのです。そして・・・

しばらくいくと二股に分かれた道に出くわした。
「右に行くとスクラップ置き場ですね」

小暮さんが指さして言った。

「そうですね・・・でも私が行きたいのはこの左側の道です。」

「こっちは狭い道ですから・・・車は?」

「私は目で見ていませんから、細くても広くても関係ありません。それに細いと言っても崖とかではないのですから、車は十分通れます。常識はこう言う時 邪魔になるだけです」

「すみません・・・そうですよね。井口さんはそう言う常識外の部分を感じて生きて来たのですものね。私の時も・・・」

「私も常識はありますよ」笑
「そう言う意味では・・・これは失礼しました」

「まあいいですよ・・・さあ 行きましょう。この左の路を・・・」
                続く

Posted by kiyoman 11:56:05Comments(0)TrackBack(0)

↑PageTop

言霊の伝言師

言霊の伝言師
名前 井口 清満
性別
自己紹介 霊関係の仕事に携わっていますが、中身はいたって普通の人間です。
どちらかというと、明るくてポジティブな人間です。
皆さんの期待しているような格好をしていませんし・・・笑
趣味 映画鑑賞
出身地 東京都
居住地 東京都
好きな
食べ物
ピーマン・茗荷以外なら何でも好きです。
お酒はあまり飲めません。強くないです。
善哉が大好きです。

あっ!おまんじゅうと羊羹が苦手です。

  November/2008  

S M T W T F S
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

Blog内検索


QRコード

QRCode