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プロの占い師が集う[占いブログ]

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過去のお話を読みたい場合は

カテゴリーを細分化して、お話別に何とかまとめました。
読みたいお話別にすべて読む事が出来ますので、そちらからお探し下さい。

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廃寺の中にいるものは・・怪23

2007-10-25

「さあ・・・心を鎮めてください。そして胸の前で腕を交差するようにしてください。いいですか?」

「はい・・・お願いします。」
「清き心を取り戻し、悔い改める魂を、汝の足もとにお招き下さい。」

あ・・・りが・・と・・う・・・・

そう言い残して上昇しながら消えた。
最後の笑顔がとても印象的であった。

私は木下さんに、あの廃寺の管理をしている方に連絡を取ってもらい、中に入った。

そして床に転がるプラチナの指輪を発見した。
私はそれを拾い上げ、ぎゅっと握りしめた。

この指輪に込められた、彼女の気持ちが痛ましい・・・この指輪が彼女がご主人とつながっていると言う、最後の証だったのだろう・・・無念さが募る。

もちろんその指輪を、私は散歩するふりをして、彼女の家の塀際に、そっと埋めたのは言うまでもない。
その横で、小さな花が揺れていた・・・
                 完

Posted by kiyoman 23:16:53Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいるものは・・怪22

2007-10-24

遺書で残した手紙まで燃えてしまい、最後にしたためた気持ちを伝えられないまま悔しさを・・・継続してしまい、ご主人に会いに行ったらいつしか別の女性と再婚されてしまった・・・とは・・・
あまりにも空しすぎる結末・・・

でも・・・この女性の心は優しかったのだろう・・・復讐に行くことも可能だっただろう・・・その女性を呪う事も憑依する事も可能だっただろう。
しかしそれをせずに・・・あの寺の中に閉じこもった。
自殺をした事への後悔に呪われながら。

「貴方の悔しさは分ります。どうしますか?あの家を呪いますか?私は今回は止めません・・・少しご主人には同情出来ない部分もありますから・・・ね。」

「もう・・・もう良いんです・・・これ以上空しくなりたくない・・・と思っています。」
「諦めていいんですか?」
「ええ・・・薄情な男だったんです。あのまま生きていても・・・きっと同じ結末になったと思うんです。だから・・・」

「うん・・・よく決断できましたね。今の状態で苦しみ、悲しみに明け暮れているよりは、生まれ変わって笑顔を取り戻しましょう。」

「はい・・・これが・・・これが望みだった・・・だから来てもらいたかった。貴方に・・・井口さん・・・」
「はい・・・この井口はあなたに呼ばれました。しかし気持ち悪かったですね・・・吐かせて頂きました。あはは・・・」

「ごめんなさい・・・みなさんにも同じ苦しみを与えてしまったようで・・・本当にごめんなさい・・・」

「少し待っててください。今までの会話を、ここに居るみんなに説明して、貴方が誤っている事も伝えますから・・・みんなもすっきりするでしょうから・・・貴方の存在が悪霊のままでは忍びないですからね」

「あ・・・ありがとう・・・」
そうして私はかいつまみながら説明した。

「いま・・・ここにいらっしゃるんですか?」
誰ともなく聞いた。
「はい!この辺りですよ。」
私が指さした一角に向かい、一斉に手を合わせた・・・

「事情はお聞きしました。私たちは気にしていません・・・どうか楽しい生活に生まれ変わってくださる事をお祈りしています」

「うん・・・うなずいてくれているよ・・・涙も流している・・・」
「先生・・・お顔は?元に戻られたんですか?」
「いや・・・やけどはまだ治っていない・・・でも禍々しさが消えたから、やけどをしていても清らかな顔をしているよ」

「顔は元に戻るんですか?」
「ああ・・・成仏すれば治るさ・・・」
「良かった・・・それなら・・・笑顔で送れますね。」

私は悲しき女性に向きなおった。
「お聞きになりましたか?みんなあなたを送りたいそうです。良かったね。」

「相談相手もいなかった私にも、この世の最後になって・・・お友達が出来たのね。
もっと早くお友達がいたら・・・自殺なんかしなくて済んだのにね・・・暗いのね、私・・・」

「それももう終わりさ・・・店に行くつもりだったけど・・・貴方の気持ちを考えたら、この場であなたを解放して、浄化して上げた方がいいですね。」
「お願いします・・・ご迷惑をお掛けしました・・・ありがとう・・・みなさん」
「みんな・・・この一点に気持ちを込めてあげてくれないか?そう・・・ここ・・」

みんなが各々のスタイルで手を合わせた。

「あの・・・私を除去徐霊しないで頂けて、ありがとうございます。もう一つ・・・私が浄化された後、あの寺の中を見てください。渡井の結婚指輪が落ちている筈です・・・その指輪よ、あの家の塀際にそっと埋めていただきたいのです・・・いえ・・・呪う訳ではありませんからご心配なく・・・ただ結婚指輪を返したいと思っただけですから・・・」
そう言って今の彼女にとっての最大級の笑顔を作って微笑んだ。

「分りました・・・責任を持って・・それでは始めます・・・」
                 続く

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廃寺の中にいるものは・・怪21

2007-10-21

「クッ!・・・キツイナ!」
ご主人は、この人が焼身自殺したと言うのに、今では再婚をして・・・そしてこの家を建て直し、夫婦として暮らしている。

「行き場がなくなるのも無理ないか・・・
この怨嗟の声は、誰に向けての言葉なのだ」

手から伝わる暑さと熱気・・・頭の中に響いてくる怨嗟の叫び・・・

「汝の叫びは誰に向けたものだ?」
シンクロが出来た・・・
「教えてください・・・汝の叫びは誰に?」

「主・・・主人に・・・む・・むけ・ている・・・」
「ご主人に・・・どうして欲しいのです?」

「わ・・たしが死んだ理由を・・・知って・・い・・るのか・・・知りたい・・・でも・・・い・・ま・はあきら・・めて・・いる・・・おん・・なが・・・すみこ・・・んできた・・・だんかい・・・で」

「確かに・・・言う事は分ります。気持も分ります。そしてそれをあきらめた時から貴方のこの世での地獄のような苦しみの地縛が始まったのですね・・・答えを聞けない・・・もどかしさから・・・」
私は同情した・・・
「でもあなたは何故・・・私たちにしたようにご主人に訴えかけなかったのです?」

「あ・・・愛して・・い・・る・から・」

はじめて怨嗟の叫び声が止まった・・・そしてその女性の顔から、涙がこぼれ落ち始めた。
「主人は・・・浮気をしていました。それを何度せめても答えてくれなかった。止めてもくれなかった・・・私は安定剤を飲み続けていましたが、主人は変わろうとしてくれなかった・・・だから・・・あの日・・・それを訴えたくて・・・手紙を残して・・・死にました。でも・・・あの火事でその手紙さえも焼けてしまうとは・・・考えもしなかった。私が馬鹿だったのですね・・・追いかけても・・・無駄な事を知っていながら・・・」

「手紙が・・・遺書だったんですね?」
「その中に気持ちを全部込めていたのに・・・何の意味もなくなってしまいました。

いつしか普通の会話状態まで、その女性の心は安定し始めていた・・・
                続く

Posted by kiyoman 19:15:51Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいるものは・・怪20

2007-10-20

はたしてあの寺の中の怪奇な気の元凶は あの焼身自殺の女性なのだろうか。

確かに恐ろしいほどの呪う気持ちの強さは感じる・・・
しかし それだけで元凶になるのだろうか。
まだ私が気がつかない元凶があの寺の中にあるような気がする・・・
でも今はあの焼身自殺の家に向かい、霊体に話を聞いてみなければ話が進まない気がした。

そう考えながら歩いていた私は、唐突に足を止めた。
「ここ・・・ここで呼び止められた」
私は声の聞こえた1点を見つめて言った。

そこは例の焼身自殺の女性の家の、裏の塀の所であった。

「先生・・・実は・・・」
「なんですか?木下さん教えてください。」

「あ・・・はい。実は彼女はこの塀に中あたりで全身に灯油をかぶり、火をつけてそのまま何かを叫びながら家の中に飛び込んだそうなんです・・・」

「ここで灯油を・・・と言う事は、この場ですべてを決断した訳ですね。怨念もここが強い訳だ・・・」

それなら都合がいい・・・店の中では都合が悪かったから・・・ここなら
そう思い、塀に両手を当ててみた。

聞こえてくる・・・頭の中のずっと奥の方からかすかに聞こえる・・・女性の叫び声

発狂してしまっているような怨嗟の言葉を並べているようだ・・・
                 続く

Posted by kiyoman 10:55:53Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中に居たものは・・怪19

2007-10-18

やはりあの火災のあった家に行かなければ何にも解決しなかったのだ。

他の3人の霊体たちが、せめて静かに成仏してくれた事が救いだった。

でも・・・そう考えると、いったあの廃寺の中にあの人たちの霊が捕らわれていたのは・・・はじまりはどこからだ?

うーん・・・この火災で亡くなった人からか?
それではまだ新しすぎる・・・
ではいったいどこがスタートなのだ?

まだあの廃寺の中にその理由があるのだろうか?
そう頭の中でめまぐるしく自問自答している間に例の鳥居の下に来た。

「ここにまっすぐつながっている霊道。そしてその先に目指す家がある・・・行ってみよう。皆さんは少し私から離れてついてきてください。」

「はい・・・先生・・・でもあの家は今は建て直して、その当時のころを忘れようとしていますから・・・その・・・」

「分っていますよ、木下さん。あくまでも隠密にやります。あの家にも行きませんし・・・安心してください。」

木下さんの言いたい事は分っていた。
田舎の町で、変な言動や動きは、後々木下さんに迷惑が掛かってしまうので、はじめから隠密行動のつもりだった。

また都合のいい事に目指す家は、今はコンビニになっていて、買い物客としてどうどうと家の敷地内に入れるので、好都合であったから、無理をしなくても良いのであった。

「木下さん・・・ひとつだけ質問していいですか?」
「はい・・・何でしょうか?」
「この家の住人は、その当時の住人ですよね?そのまま・・・」

「はい!○○さんという方の家のままです。でも・・・ひとつだけ変わった事があります・・・」
「なんですか?それは」
「はい・・・再婚されて、奥さんが一人新しく加わりました。」

「!!再婚・・・ですか?それでか・・」
死者が成仏できずに近くに居る。
しかしその家にはほかの女性が住みついた。
「危険だな・・・そして強い想念の訳が分かった」
               続く

Posted by kiyoman 01:41:22Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいるものは・・怪 18

2007-10-13

お堂の中に留まりながらも、外界に思いを伝える・・・多少厄介なタイプたちだ。

しかし・・・連れの女性に危険なるコンタクトを取ってきた以上危険であることは確かだった。

「○○○○ ○○○○」
お堂に扉の中に向かって、私の念気を送り込んだ。

それはイメージとしては 光 と思ってもらえればいいだろう・・・
真っ暗なお堂の中には居たたまれない光

「浄化されたし・・・留まる悲しき念強き霊たちよ・・・貴方達の本来の行き場所はここではない・・・今一度開きし天空天上の光を受け入れよ」

先ほどまで腐りかけた姿形だった霊たちが、人間だったころの面影を少しずつ取り戻しはじめた。

「さあ・・・心を取り戻し、今一度本来のあるべき姿に戻り、昇りなさい」

「あ・・・あり・・がと・・・う」
「苦しくない・・・辛くない・・・悲しくない・・・涙が出ない・・・ああ・・・」

その姿は次第に薄れ始めた・・・

その時だった!
一人の霊だけが薄まる姿から、次第にどす黒い姿形に戻った!

「私はいや!悔しい!そこをおどき!!」
そう言って私を押しのけ真っすぐに出て行った。

振り返った私が見たその先には、あの焼身自殺した家があった。
「やはり・・・あの人だけは、念が強すぎたか・・・」

振り返りじっとしている私に木下さんたちが話しかけてきた。

「井口先生!!大丈夫ですか?」
「うん・・・あの家の場所に向かおう」
私は家事のあった家を指差して言った。
               続く

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廃寺の中にいるものは・・怪17

2007-10-08

腐臭漂う廃寺の中・・・
でも何故この中に閉じ込められるように居るのだろう。

まるで封印をされていて出れないかのように、じっとしている。

しかし吹き付けてくる気は、動いていないはずの彼女たちだが、気だけ近続いてくる・・・
襲いかかるような執念・・・
「このままでは浄化出来ないぞ・・・でもさっきの女の人は、この中に居る人の霊だと言う事は間違いないはずだ。出れないのに憑依・・・いやそれを超えた同化をした訳だから、並みの強さではない・・・手ごわいな・・・帰りたくなったよ・・・」

私はかなり弱気になっていた。
ここに来る前に、みんなを同時に襲った嘔吐・・・それもこの中から送ってきたしたら・・・遠隔での影響だから、もしかすると私より強いかも知れない・・・それも4体か・・・」

私は本当に弱気になっていた。
本当に珍しい事であった。
しかし逃げられない・・・木下家の人を不安に出来ない・・・
呼ばれてしまった訳だから、私以外も逃げられないのだと改めて思った。

残された方法はただ一つ・・・
浄化してあげ、終わりにしてあげなければ

ここから私の戦いが始まった。

しかし この時のやり取りは、その場にいた木下家の人たちには、大した事をしているようには見えなかったかも知れない。

裏での戦い。これが本当の戦いなんだ。
けっして派手なアクションもなく、道具も必要としない・・・
霊との裏の戦いのスタートだった。
                 続く

Posted by kiyoman 01:17:55Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいるものは怪・・18

2007-10-04

腐臭が迫って来る・・・
気配より先に迫って来る・・・

私の経験をおいてもこれほどの腐臭を嗅ぐことはなかった。

さらに意識を集中させるとその姿形が見えてきた。

一人は首を不気味なくらい伸ばして、何かをブツブツ言っていた。
また一人は 焼けただれた顔を・・・いや全身を焼けただらせてしまった性別不可能な顔を、憎悪の表情で睨みつけて来る。

もう二人は親子だろう・・・
まだ幼い赤ん坊を抱いた若い女性だった。
この女性もおそらく自殺だろう。
うつの状態であったのだろうと察しがつく。
なぜならその首にロープのような物が巻きついたままなのだから・・・
赤ん坊は窒息死のようだった。
顔が異様にどす黒く変色してしまい、はれ上がっていたからだ。
苦しかったのだろう・・・その苦しさをすべて訴えるように泣き叫んでいる。

「うっ!すごいぞ・・・」
私は思わず顔をそむけてしまった。
              続く

Posted by kiyoman 19:08:58Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいたものは・・怪15

2007-10-02

一人廃寺に向かった私は、お堂の階段を登った。
賽銭箱があると言う事は、お正月などはお参り客で賑わうのだろう・・・・
少し恐ろしい気持ちがした。

その賽銭箱を回って、固く閉ざされた扉の前に立った私は、印を結び自分の呪語を唱え始めた。

固唾を飲んで見守る木下家の人たち。
あいにく昼間でも人気がない事が救いだった。
いや・・・その分、より一層不気味さがあったのかも知れない。
ただ・・・さっきの嘔吐を考えると、私を強く呼んだのは、このお寺なのだから・・・語りかけるのが私の仕事だと思って勇気を振り絞った。

「私は今 ここに来ました。さあ・・・貴方達の姿を見せてください。」
半眼の目を、お堂内部の薄明かりの中に向けた。

「く・・・苦しい・・・」
「あっ・・・熱い・・・死んでやる・・」
「私は気なんか狂っていないのに・・・」
「おぎやーおぎゃー」

4体の霊体の声が聞こえた。
徐々に近くに寄って来るように、次第にその声はボリュームを上げて行く。
それとともに・・・異様な匂いを伴う熱気を感じた。
それは腐臭だった・・・死に切れない不浄霊の末路だっただろう。
                続く

Posted by kiyoman 00:26:47Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいたものは・・怪14

2007-09-30

この女性の状況を考えた場合、長居は無用と考えざる得なかった・・・十分危険な状況であった。

しかし・・・ここに居るものたちを浄化させなければ、大人しく帰してもらえそうにない事も、また事実だった。

どうすべきか・・・そう考えたときだった。
お堂の中から、私を呼ぶ気を感じた。
なんだ・・・この女性の気は・・・それも複数だ・・・

・・・ん?お堂からある方面に向かって道のようなものが伸びているぞ・・・

その先にあるものは・・・鳥居? 鳥居の先にあるものは・・・???
あの焼身自殺の家に向かって伸びている。

そうか・・・このお寺は、このお堂から鳥居を抜けて、参道に沿って霊道になっているんだ・・・やばい所だな・・・
だからこその被害か・・・そして死者の数か・・・

これは今ここに居る人たち・・・ましてここに住む人たちにストレートには伝えられない事だぞ・・・と思うほどのヘビーさであった。

すぐに切れてしまう鳥居に渡された締め縄
悩める人を、呼んでしまう境内
精神的な崩壊を生んでしまう・・・この霊道。
このお堂・・・の中か・・・

「木下さん・・・それからみなさん、このお堂から下がってください。そしてカメラはお堂を多めに写しておいてください。それからこのビデオも・・・お堂をお願いします。」

私はそう言ってビデオ撮影もお願いして、一人お堂に向かった。
               続く

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廃寺の中にいたものは・・怪13

2007-09-26

突然耳の横で大きな声を出された女性は、かなり驚いたようで、目を大きく見開いたまま金縛り状態になってしまった。

横に来た私の姿さえまったく見えず、気配さえも気がつかないほど、一心不乱に木を見ていたのでしょう・・・

そうあたかもこれから自分がぶら下がろうとしている、丈夫な木を・・・

それからどれくらいそのままで居ただろうか・・・

みんなの注視の中・・・時間にしたらたかだか20秒程だったかもしれません。
しかし周りで見守る人たちにとっては、とてつもなく長い時間に感じられたことでしょう。

「わ・・・わたし・・・どうしていた・・・の?」
まだ霞のかかったままのような声で、弱々しく聞いてきた。

もう大丈夫だろう・・・

「何でもないさ・・・ただ君は少し、気を失いかけていたんで声を掛けただけだよ・・・熱のせいだな?」

確かに熱のせいもあるだろう。
耐久力が弱っていたために、憑かれてしまったのかもしれない。
                続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪 12

2007-09-24

爛々とした眼をして、太い枝を見上げる女性に近寄った私は、黙って後ろに回った。

「まずいな・・・完全に同化している」

憑依と同化では、祖の危険度が違ってくる

憑依は、だいたい後ろに憑き、その人の精神障害を起こさせるものですが、これは徐霊しやすいパターンが多いのですが、同化の場合は、すっかり入り込んでしまっているために、引き出してから除去しなければいけないし、体や精神に受けるダメージは、比べ物にならない・・・

時間を急がなければいけない危険な状態・・・そして行動力自体も踏ん切りも、かなり危険レベルにあるのです。
そう・・・自殺の可能性が最も高い状態なのです。

私がこの時した事は・・・
耳元で急に大きな声でその女性の名前を呼んだことでした・・・

               続く

Posted by kiyoman 02:05:43Comments(0)TrackBack(0)

廃寺の中にいたものは・・・怪 11

2007-09-19

ビデオカメラとデジカメを持って家を出た。

昼間とはいえ、静まり返った広場に出た。

「じゃあ ビデオの電源を入れるからね」

お寺を中心に注意深くビデオを向けた。

「真由さん・・・気になった場所があったら、シャッターを押して撮りまくってください。」

「はい!私で撮れるかどうか分りませんが、撮ってみます。」

一同が廃寺の裏側に回った時だった・・・
この日に同行した女性がいたのですが、その女性は風邪をひいていて、大きなマスクをしていたのですが・・・

その彼女が、少しみんなと離れた場所をうろうろ始めました・・・
気になっていたのですが、その彼女が急に饒舌になって独り言を言い始めたのだった。

「この枝は良いわね・・・丈夫そうだし、多少重さがかかっても折れない感じだわ」
などと言い出したのだった。
その眼は完全に正気を失って・・・大きく目を見開いていた・・・

危険な状況だ・・・憑依の可能性が大きい。

私は念のためにその女性をビデオの中に納めた。
そして・・・私は彼女のそばに向かった。
               続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪10

2007-09-16

そこにいたほとんどの人間が、一斉に嘔吐した・・・

それを寺に招き寄せる催促ととる事の脈絡はない・・・

ただ、私にも・・・私がそう言った時のそこにいた人たちにも、そうだと思う何かがあったのは事実だろう・・・

「これから行きましょうか?」

「あそこで気持ち悪くならないでしょうか?」
お嬢さんたちが聞いてきた。
年頃のお嬢さんたちは、さすがにお寺で吐く訳にいかないと言う気持ちがあったのだろう。しかし・・・

「これが催促なら、おそらく今の一回で終わりでしょうから・・・心配ないはずです」

これも脈絡のない結論でしたが、私にはそう思えたのです。
現に・・・このあと・・・誰も吐く事はなかったのです・・・嘘のように・・・
食中毒ならあり得ない事だと思います。
ですから・・・寺の何者かに呼ばれたと言う論法は、あながち無茶な考えではなかったのだと思います。

しかし・・・憑依されていたわけでもなく・・・寺から送られてきた気・・・
私には、今でもそう思わざる得ないのでした。

「さあ・・・デジカメとビデオカメラを持って・・・それで撮影をしておきましょう」

「ビデオとデジカメですか?
「ビデオは私のを使います。カメラは持っているカメラを貸してください。」

「私のがあります・・・」
そう言って真由さんが持ってきてくれたカメラを持って、出発したのだった。
              続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪 9

2007-09-13

部屋にみんな戻ってきた・・・
一様に顔が青白い・・・

そんな時だった・・・
一緒に連れて行った小学生の息子が、立ったまま吐いたのだった!

「大丈夫か?」
子供なので気持ち悪くなっても、どうして良いか分からなかった内に、吐いてしまったようだ。

そんな時、今度は庭で娘がしゃがみ込んで吐いていた。

それを見ていて真由さんが言った。

「私も今 気持ち悪くてトイレで吐いていました。」

それを聞いて由香さんも
「私も今 吐いてきたんです・・・」
おいおい・・・どうした事だ・・・
私も・・・

「私も今2階のトイレで吐いてきたんだ」

「食中毒かな?まさか・・・ね」

奥さんが心配そうに言った。
そこに居合わせた、7人中5人が吐いた事になる。

しかし同じものを食べた残りの二人は平気な事を考えれば、食中毒とも考えられない

「おかしいな・・・私も急に・・・気分が悪くなったんだ・・・もしかして」

「もしかしてって?」

「うん・・・なかなかお寺に行こうとしないから、あおり始めたかな・・・と思って」

「そう言う事もあるんですか?」
「うん・・・何故か なかなか動きたくない気分になっていたからね・・・その理由も分からなかったんだけど・・・それも今の現象で目が覚めた・・・」

               続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪 8

2007-09-12

「そこの奥さんが・・・焼死しました。」

「やはりそうですか・・・あの熱さは尋常な火事では無かったと思いますが・・・残留思念として、相当強く残っていますから」

「先生・・・今 この家は大丈夫ですか?憑いてきたりしていませんか?」

「うん・・・大丈夫ですよ。心配ないです。ともかく明日、行って霊を鎮めましょう。」

そう言って今日のところは寝る事にした。

翌日 朝起きて天気がいい事にホッとした。

ゴールデンウィークでも、初夏のような暑さであった。

廃寺の事を考えたら、天気がいい事がまずは救いであった。

お日様の光は、何よりも強い武器になるのであった。

一同が遅い朝食をとった所から、この話は急転し始めるのであった・・・

昼を過ぎても、私の腰が重く、みんなもなかなか腰を上げようとしなかった時・・・

私は急に気持ち悪さを覚えて、2階のトイレに駆け込んだ。そして嘔吐した・・・

「どうしたんだろう?」
自分でも急に気持ち悪くなったことに驚いて、みんなの場所に戻ると、皆がいない。

そうこうしている間に、一人 また一人と戻ってきた。
なぜか一様に青い顔をして、口元とお腹を押さえていた。
               続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪 7

2007-09-11

私たちは足早に木下家に帰った。

居間に落ち着いたところで、お寺で見たものを語り始めた。

「まず・・・寺の裏手の・・・横に張り出した太い枝・・・あそこの木の下に女性が立っていました。首に縄のようなものが結ばれたままになっていましたので、おそらくあそこで首を吊った人ではないかと思います・・・」

「お父さん・・・?」
お姉さんの方の真由さんが、お父さんに確認した。

「はい!今年の2月の早朝に、あの木で発見されました。確かです・・・」

「やはりそうですか・・・縄をずるずると引きずって移動していました・・・」

「うわーっ・・・」

みんなは同時に顔をしかめてそう言った。

「先生・・・先生は鳥居の所で後ろ側・・・道路に繋がった方を気にしていたみたいですが・・・何か?」

「良く見ていましたね・・・(笑)
私があの時に感じたものは、背中に焼けるような熱さと・・・苦しさでした。あとは人をののしる言葉と断末魔でした。」

「・・・・・・・・」
木下家の家族は、皆押し黙ったまま顔を見合わせた。

「熱さと言うより、物凄い熱ですね。周りを包まれるような・・・」

私の話を遮るように、木下さんが言った。

「先生・・・あの鳥居を進んだ道路に面した、端っこの家・・・実はあそこでそこのお嫁さんが焼身自殺をしたんです・・・」

「焼身自殺か・・・」
「先生の言われたように、少し気が狂ったようになり、家族を罵倒していたそうです。そんなある日に家に火をつけて・・・今は新しい家になっていますが・・・」
               続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪 6

2007-09-10

熱い気を感じ、私は振り向いた。

鳥居からさらに進む道がある。
その向こうには二車線の道路がある。

この鳥居からその道路までの間から吹き付ける熱い気・・・

苦痛の声が飲み込まれていく・・・
女性の声・・・

「死んでやる・・・死んでやる・・熱い
熱い・・・・」

後ろの境内からは相変わらず女性のじっとりとした視線・・・

前には 熱風とともにこだまする女性の声

「ここは何なんだ?こんな所を毎日通るなんて考えても恐ろしい場所だ・・・まさしく呪われている・・・」

私はその声にいったん心を閉ざして、みんなの待つ場所まで戻った。

「先生どうしました?」
「いえ・・・さあ、家に戻りましょう。そこで説明します。」

我々は急ぎ足で家に戻った。
                続く

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廃寺の中にいるものは・・・怪 5

2007-09-09

寺の裏手・・・太い木が生い茂っている。
中には奇妙に 太い枝を横に伸ばしている木もあった。

小さな小屋か物置のようなものが一つあるだけだ。右側は少し窪地になっている。

私は一回りして帰ってきた。

「先生・・・どうでした?」

「うん・・・誰かが見ていると言いましたが、裏の方に強く感じましたが、姿は見えませんでした。」

「実はこの場所では言いたくない気持ちはあるんですが、裏手に・・・とお聞きしましたのでお話しておかないといけないと思いまして・・・一番最後に首つりがあったのは、この裏手の横に張り出した太い枝でなんです。」

「いやだ・・・お父さん。家に帰ってからにしようよ・・・」
由美さんが周りを気にしながら怯えるようにそう言った。

「やはり・・・そうでしたか。あの枝ですね・・・そうだもう5分だけ待ってください。鳥居を見てきますので。」

私はそう言って鳥居まで走った・・・

「ここか・・・」
私はその鳥居の下まで来ると、下をくぐらずに周りを一周した。

しめ縄はしっかりあった。
私が戻ろうとみんなの方を振り返った時だった!

「なんだ・・・熱いぞ・・・熱い・・・この感触は?火事か?」

この時境内とは逆の方角に、熱い苦痛を感じたのだった。
               続く

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廃寺の中にいたものは・・・怪 4

2007-09-09

一同はお寺へ向かう人が一人通れるくらいの裏道の坂を登って行った。

時間が時間なので緊張が走る・・・
明かりも少しの街灯の明かりだけだ。

周りには木が生い茂り、うるさい程の虫の声だけが響いた。

しばらくするとひらけた場所に出た。
公園のようだった。

お寺に公園・・・夜には不釣り合いな組み合わせだった。

「この左手がお堂で、右手に続く道が、鳥居方面です。」

お堂の周りが特に大きな木が自然に生い茂っていた。
私はお堂の方に歩いて行った・・・

「皆さんは私の後ろにいてください。前には出ないで・・・」

お堂の扉は閉め切られていた。

お堂の前に立った時だった・・・誰がのじっとりする視線を感じたのだった。

「おかしいな・・・随分生々しい視線だな・・・」

「先生!視線て?誰が見ているんですか?」

「お堂の裏側からの視線のように感じます。この裏はどうなっています?」

「この裏にはあまり我々でも行かないので・・・よく分からないのです。」

「そうですか・・・では行ってみましょうか?あっ!行くのは私だけで良いですから、皆さんはここにいてください。」

そう言って私は懐中電灯の明かりを頼りに、お堂の裏手にまわった。
なんとも懐中電灯の明かりが心細く感じた。
全体を照らすライトが欲しいと感じるほど、自然の気が覆いかぶさってくる感じであった。
                 続く

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言霊の伝言師

言霊の伝言師
名前 井口 清満
性別
自己紹介 霊関係の仕事に携わっていますが、中身はいたって普通の人間です。
どちらかというと、明るくてポジティブな人間です。
皆さんの期待しているような格好をしていませんし・・・笑
趣味 映画鑑賞
出身地 東京都
居住地 東京都
好きな
食べ物
バナナ・あんみつ・お肉系・・・
ピーマンは大っ嫌いです!!
最近のマイブーム:もりそば・・・

  September/2008  

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