突然、豹変するわが子を前に青ざめる母
なすすべもなく呆然とする父
いざなわれるかのごとく手を合わせ必死に祈りを捧げるふたりの前で、神仏と闇の存在がぶつかりあう
長い長い時が過ぎ子供がいつもの我が子に戻る
みな自分たちの身に起こったことを受け止められず放心する
泣きじゃくる子を抱きしめながら優しく、強く摂理・真理を説く住職に仏をみる
しばらく経って困惑する父が重い口を開いた
「こんな事が現実にあるんですか?それともうちの子は気が狂ったんですか」
いいえ、あれが真の我が子の姿
真の我が子の心
そしてこの世の狭間に取り残された想念の姿
心の奥に押し込め封印した葛藤の現れ
狂ったのではなく、今を取り戻そうと必死に自分と戦ってる姿
受験戦争さなかの交通事故
リハビリテーションの生活は彼から時を夢を奪っていった
浪人生活・挫折・引き篭もり
「思い通りにいかない人生」
運命に翻弄された数年の歳月
父は初めて本当の我が子の苦しみを受け止めた
「向きあってみます。私に出来る事やってみます」
その横で涙する母の顔は穏やかだった
憑物が落ちた様に
「お坊さんもいいかもしれない」と笑う彼
そうそうお坊さんもいいものです
だって最高の笑顔に会えたりする
「じゃあ、お坊さんになってみる?」
苦笑いする君に乾杯です
君の未来に幸あれです