水地比 親しみ
何でも話し合え、分かり合える信頼関係を築くことは
とても難しいことなのではと思います。
親しい関係というのはただ単に、
趣味や好みが似ている、共通点が多いからというだけではなく
お互いのありのままを認め、自主性を尊重許容し、強制し合うことなく、
温かな関心を抱き合える、気兼ねない関係なのではと思います。
親しい関係というと、易の卦の水地比を思い浮かべます。
比は、「比べる」という意味として使いますが、もともとの意味は
肩を並べる、同等であるということを意味します。
例えば親子、師弟、先輩後輩、上司と部下のような上下関係はなく、
同等の関係を表します。
昔の諺に、「親は三代の縁、親友は七代の縁」というものがありますが、
親友は、親子よりも前世で出会う回数が多く、それだけ出会いを
積み重ねなければ親友としての関係が育たないという厳しさもあるのですね。
親子は上下関係が存在しますから、親は上の立場として子供に期待し、
思い通りに育てたいという欲があります。
しかし、たとえ自分の意に反しても、相手が思い通りにならなくても、
相手のやりたいようにやらせてあげられ、相手が決めたことを
応援してあげられるのが親友なのですよね。
「本音で付き合える友達に恵まれない」
「何でも話せる友達がいない」
そういった声を耳にすることがよくありますが、
「今の時代、タバコを吸うなんて信じられない。禁煙しなさいよ。」
「その服、趣味悪い。」
「そんなに食べるから痩せられないのよ。ダイエットやる気あるの?」
意見を求められてもいないのに、このように上から強制するような
ものいいは、いくらそれが本音であっても、言われる側は哀しいですし
傷つくものです。
友人への期待が大きければ大きいほど、理想と違った場合は
許せないという厳しい気持ちも強くなるものです。
また、親友と思っている相手が他の友達と仲良くしている姿に
不安になりつい、嫌味や皮肉を言って、自分が相手にとって無用な
ものなのでは、見捨てられるのではという不安を下手に隠して
しまい、かえって関係を拗らせてしまうこともあります。
友達が苦しんでいる時は親身になって話を聞いてあげられても、
友達の成功はなかなか素直に喜べないこともあります。
卑屈になったり優越感を抱いたり張り合ったりする関係というのは、
結局は自分の我を前面に出してしまった結果であって、
そこから温かな信頼関係が育つ筈はありませんものね。
お互いが同等に温かい関心を抱き合い、許容し合える関係とは、簡単そうで
とても難しいこと。 いくらお金があっても地位があっても、
お互いに相手を尊重するという謙虚さ、徳が備わっていなければ
得られないものです。
それ故 「親友とは人生最大の得難い宝物」という諺もあるのでしょうね。
素敵な親友を欲しがる前に、先ずは理想とする素敵な親友に相応しい人間に
なれるよう徳を積むことが大切なのでしょうね☆