歴史ミステリーの新説?

94986.jpg歴史上の「ミステリー」にはいくつかの新説と称するものがいくつかあります。

有名なものを上げると、「信長暗殺の黒幕と明智光秀の隠し財宝」、「松尾芭蕉キリシタン説」、「日本のピラミッド」、「日本のルーツは古代イスラエル」などですね。

全部は無理ですから、今日は「日本のルーツは古代イスラエル」について少しご紹介しましょう。

この説自体はわりと昔から言われています。

普通は「日ユ同祖論」と呼んでいますが。

たとえば、ユダヤ人にゆかりと深いとされている京都のある寺にダビデの星(二つの正三角形を組み合わせた六角形、いわゆる六芒星)が刻まれていることが証拠と言われています。

ついでに言えば、ご存知の方も多いと思いますが、キリストの墓が青森県新郷村にあるとの説もあります。

そして、その村でキリストの子孫と言われている家の家紋もダビデの星なんです。

しかし、残念ながら六芒星はユダヤ人全体のマークとして使われるようになったのはせいぜい中世の終わりくらいのことで、昔のユダヤ人には関係ないんです。

それから、日本とイスラエルが同根であることの証拠として、日本語にヘブライ語が沢山取り入れられていることを上げていました。

少しだけ上げると、たとえばアキナウ(商う)−アキナフ(買う)、アリガトウ(有難う)−アリ・ガド(私にとって幸福です)、アルク(歩く)−ハラク(歩く)などがあります。

しかし、こうした類似は幾らでも見つけることができるんですね。

たとえば、英語と日本語でも可能です。

walkをローマ字読みすると「ウォルク」ですが、これは「歩く」ですし、「話す」と「アナウンス」もよく似ています。

こんなことを真面目に研究している人もいるんですが(英語の起源は日本語だとの説)、普通の人はまさか日本語と英語が同じルーツから出たとは思わないでしょう。

これについては小説家の清水義範氏に「序文」という抱腹絶倒の作品がありますから、興味のある方は読んでみて下さい。

要するにこんなことを幾ら重ねても何の証拠にもならないと言うことです。

ただ、バビロン虜囚が解放された時に、世界に散らばったユダヤの支族のうち行方が分からくなった10支族が、日本に行ったとの説は実際にあります(パリに居た時にイスラエル人とその話をしたことがあります)。

イスラエルのある団体が日本での本格的な調査を開始するとの話も聞いたことがありますが、大した成果は期待できないでしょう。

では。