批評の自由

158095.jpg先日、あるテレビ番組で、ダウンタウンの松本さんが、昨日取り上げたマンガ「美味しんぼ」に触れつつ、「マンガに関してはマンガ家さんが神。映画では映画監督が神なんですよ。その人の作品。周りがごちゃごちゃ言って変えろなんて神への冒涜です」といった発言をしていました。

まあ、その通りでしょうね、製作段階では。

しかし、いったん発表してしまえば、作品は観客(視聴者)や読者のものとなります。

松本さんは自分の映画がまったく不評で多くの人からけなされたことが気に入らないのでしょう(全部不評でしたが、特に最新作は最低の評価を受けていました)。

しかし、お金を払ってくだらないものを見せられたかわいそうな観客はもちろん、誰にでも文句を言う権利はあります。

公開されたものですからね。

批評も自由なんです。

それが嫌なら自分の作品ならなんでも良いと言ってくれるファンだけを対象に、自費製作したものを上映すればいい。

「何もわからない素人が偉そうに自分の尊い作品を批判するんじゃない」これは映画監督やミュージシャン、作家がおうおうにして口にする意見です(下手をすると芸人にも似たようなことを言う輩がいます)。

しかし、どんなものでも、それがアマチュアのものであっても、公共の場に発表されれば、それは観客の批評の目に曝されなければならないのです。

避けることはできません。

まあ、こうした発言をする時は、松本さんも含めて、ほとんどすべてが負け惜しみです。

要するに、彼らは自分の作品をけなされるのは絶対嫌で、褒めてほしいだけなんですね。

その証拠に好意的な批評には、よくわからないくせに黙ってろなんて言いません。

松本さんも、それをそのまま言うと子供がだだをこねているのと変わらないので、誤魔化すために、作者は神だなんて不遜きわまりないことを言い出したんでしょう。

では。