テロ、言論の自由、宗教

今日は、連日テレビを賑わせているフランスの週刊新聞シャルリー・エブド・テロ事件について書きます。

テロ行為はどんな場合でも、絶対に悪であり、人を人質に取ったり、殺害することは何があっても許されない。

これに何の疑いもないことを最初に確認しておきます。

まず、テレビ局の対応に対する文句を一つ。

ワイドショーでは、いつも通り今回の事件も興味本意でしか取り上げていません。

私の知る限りでは、裏にある表現の自由の矛盾性、宗教間の対立、人種差別、移民問題なんかを深く掘り下げた番組は一つもないようです。

解説をするコメンテーターもフランスに住んだこともない人間ばかり。

フランスの事情なんか上っ面しか知らないんですね。

あるコメンテーターは、アメリカは移民国家であり、移民問題には数百年の経験があるが、フランスは経験が少ないから対応が下手なんだなんて出鱈目を言っていました。

実際には、フランスはもともと移民国家で、その歴史もアメリカ以上に長いんですが。

たとえば、前大統領のニコラ・サルコジ氏はユダヤ人を母に持つハンガリー移民2世で、アメリカですら例のない移民2世です。

せめてフランスに住んだことがある評論家を呼んで状況を説明させればいいのに。

それはいいとして、今回の事件にはいくつか問題が絡まりあっています。

まず、表現の自由です。

「表現の自由を守るために断固戦う」

美しく立派な言葉ですね。

スローガンとして力強いと言うか。

アメリカでも、フランスでもこんなことを言っていました。

確か日本でも似たようなことを言っていたかな。

しかし、フランスなんか言った舌の根が乾かない内から、発言が、「テロ行為の礼賛にあたりかねない」とみてある芸人の身柄を拘束し、取り調べを始めたそうです。

どこが表現の自由なんでしょう。

こんなのを「ダブルスタンダード」と言います。

もちろん、アメリカでも表現の自由なんて単なる絵空事です。

例を上げようと思えば、それこそ山のようにありますが、有名なマッカーシズム(赤狩り)を初め、ビートルズに対するボイコット運動なんかが思い出されます(かなり昔のことで申し訳ありません)。

彼らは、自分たちはキリストよりも有名だと言ったために教会の怒りを買ったんですね。

また、このビートルズのメンバーだったジョン・レノンの名曲「イマジン」も、何度も放送禁止されています(最初は湾岸戦争時に、そして9月11日の同時多発テロ後)。

もちろん日本も負けていません。

最近のろくでなし子さん(女性漫画家)の事件を見てもわかるでしょう。

さらに言えば、日本では絶対に触れてはいけないタブーもあります(怖いのでこれ以上は書きません)。

続きます。IMG_0016.jpg