マニュアルについて

IMG_0016.jpg今日はマニュアルについて考えてみました。

通常、マニュアルと云うとマニュアル通りの仕事しか出来ないと云った感じで、かなりネガティブな意味合いで捉えられることが多いようです。

現代は何でもマニュアル化されていて、どこに行っても同じような応対をされて味気ないとか、ちょっと変わったことを頼むと対応できない等の話も良く聞きます。

マニュアルにばかり頼らず自分で考えて心のこもった応対する、これは理想ですね。

しかし、マニュアルはできない人間のためのものなんです。

できる人間は黙っていてもやるでしょうが、世の中そんな人間ばかりではない、と云うか、絶対少数派でしょう。

たとえばチェーン店などですべての店舗で同じレベルのサービスを提供するにはどうすればいいでしょう。

会社は、もともとモチベーションに欠けるアルバイターやパートタイマーを相手に過大な期待はできませんし、従業員教育にそんな時間も金もかけられません。

となるとサービスの均一化を図るためにはマニュアルに頼るしかないんですね。

また、マニュアルは発生することの多いトラブルへの対処を教えるものでもあります。

いちいち自分で考えて解決しようとしたら時間がかかって仕方がないでしょう。

また、マニュアルは価格を抑えるための手段とも言えます。

さまざまなノウハウをブラックボックス化せずに開放することにより、年季といったものの必要性が少なくなります。

マニュアルに書いてあること以外の出来事が発生した場合に何もできないとか、まったく自分で考えようとしないのは確かに問題ですが、それは上に書いたようにモチベーションの問題で、せいぜい時間給800円程度しか貰っていない人間に会社への帰属意識を持てとか、責任ある対応をしろと要求するほうが無理ではないでしょうか。

自分が同じ立場だったら本当に会社を背負って立つような応対ができるかよく考えて見てください。

現代においては心のこもったサービスが欲しければそれなりの金を払わなければならないんです。

馬鹿高い店で型にはまった通り一遍の扱いしか受けなかったら、それこそ怒るべきでしょうが、マニュアル化されたサービスしかしないファーストフード店を、それゆえに責めるのは間違っています。

客はその恩恵をたとえば価格の安さといった形で受けているのですから。

では。