学校の勉強は要らないか(続き)

20160815072624-cb409143d3806ffd34478c991bfe1cb07640bb2c.jpg一部の教科は、人生に役に立たないから学ぶ必要がないといった意見はよく聞きます。

有名な話だと、作家の曽野綾子さんが「私は二次方程式を解かなくても生きてこられた。二次方程式などは社会へ出て何の役にも立たないので、このようなものは追放すべきだ」と述べています。

これはまあ、自分の苦手なものは要らないと思いたがる短絡的な考え方なのでしょうが、悪いことに彼女の夫 三浦朱門さんが当時、教育課程審議会会長だった。

それで教育課程審議会で削除を主張し、中学課程で「二次方程式の解の公式」は必修の事項ではなくなり、その他の円周率等の小数点以下の削除などが行われ、この国の子供たちに数学的解決能力が大きく欠如しました。

曽野さんに限らず、二次方程式は社会に役に立たないと思う人は結構多いと思います。

しかし、二次方程式は、数学、経済、物理の世界で絶対必要な基本です。

これを学ばずに将来の専門的な勉強ができないでしょう。

また、堀江さんは学校では集団行動も学ぶとの意見に、集団行動なんて必要がないとも言っていました。

これは明らかに間違いです。

子供は親や大人から学ぶよりも仲間から学ぶことのほうが多いのです。

そのことは割りと昔から知られていて、日本では若者だけで集団生活をする日本では若衆宿といった制度がありました。

また、イスラエルのキブツ(一種の共同生活集団)では、子供の家で子供たちを家から離して集団生活させていました(最近は変わっているようですが)。

もちろん、すべてのシステムには長所と短所がありますから、上に書いた制度が絶対的に正しいとか、なにがなんでも取り入れるべきだとは言いません。

しかし、子供の集団生活は、社会性を身に付け、また、競い合うことにより、より高い能力を身に付け、さらに人格の形成に絶対必要です。

堀江さんに限らず、学校の勉強なんか必要がないといった主張をする人がよくいますが、このあたりのことをもう一度考えていただきたいと思います。

では。