続きです。
沢山いますよね、テレビ番組なんかで、結果が良かったか悪かったかだけで、判断の優劣や的確さを評価するコメンテーターが。
後知恵バイアスの好例です。
人は、結果を知ったあとで、自分がよく知っているストーリーにあうように、その結果が生じた理由や原因を類推する傾向を持っています。
そして、事前には知り得なかったことまで、あたかもあらかじめ知っていたかのような錯覚に陥った判断をしてしまうわけです。
大きな事故や医療ミスが発生するたびに、被害者のみならず第三者まで「そんなことも予見できなかったのか」とか「些細な異変でも常に厳正に的確に対処して来なかったから、事故につながったのだ」と批判します。
原発事故の時に想定外を責める言葉が多かったのも一つの例でしょう。
私たちには、一瞬先のことでさえも、何が起こるかはわかりません。
ところが、ことが起こってしまえば、自分が知っている事例を思い起こし、あたかも「あらかじめそうなることはわかっていた」という気持ちになってしまうんですね。
そして、「後知恵バイアス」は無自覚のうちに直感的に働くいるため、その影響から逃れることは容易ではありません。
さらに言えば、自分は頭が良いと感じられるために、気持が良いということもあります。
反論されることもあまりないでしょうから。
もう少し続きます。
では。
後からだったら何でも言える (2)
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