後からだったら何でも言える

20160928080746-a1d3cdac8ec4fdf60a8e83cb6a5188e43ec34e29.jpg「そのアイデア、僕は前から考えていたよ」

「こうなることは最初から分かっていた」

あなたの周りにもこうした言葉を口にする人が結構いるでしょう。

これを「後知恵バイアス」と言います。

自分のことを考えても、他人の決定について、「自分ならもっとうまく決めていた」とか「自分ならあんなミスはしなかった」と考えることがあると思います。

実はこれも後知恵バイアスなんですね。

人は自分に甘いもです。

こんな実験があります。

まず、被験者にアガサ・クリスティの執筆した書籍の数を推定させます。

平均値は51冊でした。

後日、被験者に正解(67冊)を教え、自分の元々の推定値を思い出すように言うと、その平均値は63冊に増えました。

結果を知った後に、自分が実際より正解に近い予測をしたと考える人が多かったわけです。

アメリカでは、多くの政治家や軍事評論家、そしてジャーナリストが2001年の同時多発テロの発生を予見していたと主張しています。

日本でも、バブル崩壊やリーマンショックは必然であって、自分は起こる前から予測していたと得々として述べる経済評論家を何人も見ました。

それなら、なぜ先に言わないのでしょう。

続きます。