今日は蛇足です(いつも蛇足みたいなものですが)。
昨日、訳詞なんか読んでも意味はないと書きましたが、歌詞を訳すのは本当に難しいんです。
英語がものすごく上手いとしても、日本人には理解できない単語や言い回しが必ずあります。
よく言われることですが、欧米の人たちには聖書やギリシャ神話、シェイクスピアの作品なんかが基礎教養としてあって、頻繁に引用されます。
また、教育や生活に根ざした言葉もあるため、極端なことを言えば、その国で生まれ、育たないとわからないことがどうしても出てくるんです。
私は昔、フランチ・ポップスを数十曲訳したことがありますが、わからないことだらけ。
パリにいた時のことですから、フランス人に聞くことはできましたが、説明してもらってもそれを日本語にするのがまた大変なんですね。
一つの言葉に複数の意味が含ませてある場合なんかもうお手上げです。
私のことはさておき、一般論として、かなり上手くできた訳詞が原文をどの程度忠実に反映しているかと言うと、大きな隔たりがあることは否定できないと思います。
まあ、こうした問題は歌詞に限ったことではありません。
翻訳すべてに言えます。
私は、小説の翻訳は粗筋を知る程度の意味しかないと思っています。
詩となるともう絶望的。
ところで、日本人には2人ノーベル文学賞を取った人がいます。
彼らは当然ながら英訳が評価されたのだと思いますが、それで本当に価値がわかるのかなあ。
ノーベル賞の選考委員(匿名だそうです)には、やはり英語圏の人が多いんじゃないかな。
だとすると今後も英語を使用する作家が絶対的に有利ということになるでしょうね。
では。
ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞 (3)
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