破局は避けられるか

20161020071713-5e7a82c37a31fc56532260fff4cfa4be869a241d.jpgかなり前の作品ですが、タイムパラドックスを扱った映画に「バタフライ・エフェクト」(監督:エリック・ブレス)というものがあります。

時間を遡る能力を持つ主人公(タイムマシンを使用するのではなく、精神的な力でタイムトラベルする)の話です。

彼は過去に干渉することによって、現在の不幸な状態を改変しようとするんですが、何度試みても結果は悪いほうに転がってしまいます。

要するに原因と結果は単純に目に見えるような形で繋がっているのではなく、様々な要因が複雑に絡まりあっているために、思い通りにはならないんです。

映画の題名もそこから来ています。

ただし、映画のテーマは本来の意味からはずれているようです。

バタフライ・エフェクト(効果)とは、カオス理論を端的に表現した思考実験のひとつで、決定論的な法則でも、初期条件のわずかな差が挙動の大きな違いを生み、その予測が困難化することです。

「北京で蝶が羽ばたけば、ニューヨークで嵐が起きる」とするたとえ話が有名ですね。

ところで私は、恋愛にも同じことが言えるのではないかと思っています。

勿論、本来バタフライ効果とはいわゆる複雑系と言うか、気象や株式などの値動きを対象とするものなので、単純に恋愛に当てはめられるものではないかも知れませんが。

一応、言ってみると、愛が壊れるのは単純な理由からではありません。

だから一見、原因だと思われる要素を取り除いても、元に戻るとは限らないんです。

たとえば、彼が他の女性に心を奪われた場合、彼女さえいなければと思うかも知れませんが、実際にはその女性がいなくても、彼が心変わりしない保証はありません。

往々にして愛の復活を望む人は、意識的にか無意識的にか現実を見つめず、破綻した原因を単純に考えすぎている傾向があります。

本当の原因を知らずに、愛を取り戻すことが不可能なのは当然ですが、残念ながら結局のところ何をどうしても愛の破綻が不可避であることも多いのです。

では。