昨日の続きです。
昨日書いた受賞の資格があるかの問題ですが、南北首脳会談を実現させたとして受賞した大韓民国の金大中は、受賞のために組織的工作を行っていたことや、北朝鮮に5億米ドルを不法送金していたことが判明し「カネで買った平和賞」と批判されています。
日本人で受賞した佐藤栄作も「非核三原則」を提唱したことで受賞しましたが、有事の際の「核兵器持ち込み」に関する密約が、日米間で結ばれていたことが後でばれました。
そして、最近ではアメリカのオバマ大統領が、核軍縮政策の呼びかけなどを理由に受賞しましたが、その少し後に非暴力がすべての問題を解決するわけではないと戦争を正当化し、同盟国のためなら武力行使にためらいはないと発言しています。
ところで、私は、ノーベル賞に権威を与えすぎだと思います(特に、日本では大騒ぎ)。
平和賞はクリーンじゃないとか、公平じゃないといった批判は多いのですが、ノーベル賞は1人の科学者が個人資産を基に創設した賞で、1つの国が管理しているものです。
ユネスコのような国際機関で各国が資金を提供し、合議で決定するものではない。
要するにどんな基準で選考しようが、誰にあげようが勝手だと言うことですね。
他人というか、他国が口を出す問題ではないし、気に入らなければ無視すれはいいんです。
ただ、あまり反発して対抗しようとすると変なことになります。
中国は、民主化運動、人権活動家の劉暁波への2010年度ノーベル平和賞授賞に反発して孔子平和賞なてんものを作っていますが、世界の物笑いになりました。
これに先例があって、ナチス・ドイツは、「言論の自由」を訴えた獄中のカール・フォン・オシエツキーが1935年にノーベル平和賞を受賞した時、これに対抗した独自の賞としてドイツ芸術科学国家賞を創設しました。
また、ソビエト連邦もスターリン平和賞(後にレーニン平和賞に改称)を創設しています。
まあ、みんな後ろ暗いことがあったんでしょうね。
最後に書いておくと、ノーベルはダイナマイトを発明して大儲けしたくせに、何か平和賞だといった批判を良く聞きますが、恐ろしい兵器を発明したからこそ平和を願い、私財を投じることは理解できないことではないと思いますが。
では。
ノーベル平和賞の意味(続き)
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