教育に関する実験(続き)

20161113180924-486fe332362a9e530e39de84cdc4a9cd7203a3b5.jpg昨日の文章に少し補足します。

教育関係や心理関係の実験、調査には非常にデリケートな面があります。

まず、こうした実験では、対象となる人たちの条件を揃えなければいけないのですが、これが困難なのです。

何らかの方法によって成績が上がったとしても、他の条件もすべて同じなんてことは普通考えられません。

そしてその効果がどの程度継続するのかも確認しないといけない。

さらには長期的影響も。

特に心理関係の実験では将来に影響が残る可能性があります。

たとえばスタンフォード監獄実験というものがあります。

簡単にいうと新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせたものです。

しかし、実験中に被験者同士の暴力沙汰が発生し、中止されました。

その結果、被験者に精神的に追い詰められた者や精神を錯乱させた者が出たんですね。

このトラウマの治療のために長期間を必要としたということです。

これは非常に極端な例ですが、このように心理的な実験は危険なのです。

番組では45000人を対象にデータを取り、実験を行なったとしていましたが、どの程度きちんとした配慮をしたのかが気になります。

それに繰り返しますが、成績の良くなる方法で教えてもらった子供はいいでしょうが、成績が低下する方法で教えてもらった子供にはどう対処したのでしょう。

大体、当然親に実験の許可を貰ったはずですが、子供を成績が低下する方法で教えると言われて、それを受け入れる親がいたとはとても思えないのですが。

では。