続きです。
因果応報の話を書いていて、思い出したので、かなり前に書いたテーマをもう一度取り上げます。
バタフライ・エフェクトという言葉をご存じでしょうか。
カオス理論を端的に表現した思考実験のひとつで、決定論的な法則でも、初期条件のわずかな差が挙動の大きな違いを生み、その予測が困難化することです。
「北京で蝶が羽ばたけば、ニューヨークで嵐が起きる」とするたとえ話が有名です。
因果の例ですね。
日本で言えば「風が拭けば桶屋が儲かる」ですが、「北京で蝶が・・・」の場合は、因と果の間の流れを知ることはできません。
それはいいとして、やや話はずれますが、人は、何か結果がある時にその原因を取り除くと結果は違っていたのではないかと思い勝ちです。
しかし、これもそんなに単純なことではありません。
恋愛を例に上げると、彼が他の女性に心を奪われた場合、彼女さえいなければと思うかも知れませんが、実際にはその女性がいなくても、彼が心変わりしない保証はありません。
往々にして愛の復活を望む人は、意識的にか無意識的にか現実を見つめず、破綻した原因を単純に考えすぎている傾向があります。
本当の原因を知らずに、愛を取り戻すことが不可能なのは当然ですが、残念ながら結局のところ何をどうしても愛の破綻が不可避であることも多いのです。
今日の話は前半と後半が上手く繋がっていないと思いますが、テーマが難しいのでご容赦ください。
では。
誤った因果応報観 (5)
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