今日はクロワッサンの話です。
最近は日本でも人気があるクロワッサンは、その起源について以下のような話があります。
17世紀、オスマントルコによる大包囲で陥落の危機にあったウィーンの町で、深夜に地下室で仕込み作業をしていたパン職人が、地中深いところから響く変な音に気付きます。
彼はすぐにウィーンの守備軍に報告したんですが、その音はウィーン市内に侵入すべくトルコ軍がせっせと地下トンネルを掘っていた音と判明しました。
からくも敵軍の奇襲をかわすことができたウィーン守備軍は、この手柄を立てたパン屋に、褒美としてトルコの象徴である三日月の形をしたパンの商売を許可しました。
これがクロワッサンの誕生だとのことです。
また、このパンを食べることには、「三日月野郎を食っちまうぞ」という意味もあったのだとか。
まあこれは伝説のたぐいで、真偽のほどは定かではありません。
ところで、クロワッサンをフランスに伝えたのはマリー・アントワネットだというのは有名ですね(彼女がブルボン家に嫁いだときに自国のパン職人を連れていった)。
実は、この時に伝えられたのはクロワッサンだけではありません。
ブリオッシュ、パン・オ・ショコラ(チョコレート・パン)等のいわゆる菓子パン全般が伝えられました。
ですからフランス語では菓子パンのことをヴィエノワズリ(viennoiserie:ウィーン風)と呼びます。
しかし、イメージとは異なり、菓子パンは普通のパンと較べて値段が高いのでフランス人はあまり朝食には食べません(ホテルで出されるくらいですね)。
普通はフランスパンを4分の1に切ってバター、ジャムを塗ったもの(tartine:タルチネと言います)をカフェ・オーレで流し込むんです。
最近では、コーンフレーク等も多いようですが。
最後にもう一つうんちくを書いておきます。 有名なマリー・アントワネットの言葉(実際に言ったのはアントワネットではないようですが)「パンが食べられないのならお菓子を食べればよいのに」は、本当は「お菓子」ではなく、ブリオッシュだったとのことです。
ブリオッシュはあまり知られていないし、ぴんとこないのでで変えたのでしょう。
では。
食の雑学:クロワッサン
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