そう言えば、ある本に文学翻訳家が落ち着いて仕事をするためにマンションを借りているなんて設定がありましたが、これはまず無理ですね。
外国文学は全然売れませんから、印税なんて微々たるものですし(しかも原作者と折半)、買い取りにしても1本につきせいぜい100万円くらいでしょう。
100万円というと多いようですが、小説1冊を訳するのに普通は3~4ヶ月、下手をすると1年くらいかかります。
これでは決して割りがいいとは言えないでしょう。
ハリー・ポッターのような特殊な例外を別にすると文学翻訳で食べていくのは大変なんです。
だから大学の先生なんかがやるわけですが、本職ではないので翻訳に何年もかかることもあります。
これに対して、技術翻訳はすべて1枚または1語いくらで仕事をしますので、ある程度の収入は見込めます。
ただし、これも金額はそれほど高くないし、1日に翻訳できる分量は決まっています。
無理をすると翻訳の質にひびくので、あまり長時間働くこともほとんどありません。
だから一般に信じられているような知的作業ではないんですね。
付加価値を生み出しませんから肉体作業みたいなものです。
私としては仕事としての翻訳はあまりお勧めできませんね。
では。
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