通訳と翻訳についての誤解の話(3)

20170122091646-d274fd82d05fa829ffb16092e373c31b9b44b5e3.jpg続きです。

同時通訳についてもう少し書きます。

同時通訳の仕事は物凄く早く終わることがあります。

1時間未満とか。

それでもパリにいた時は1日分の料金(結構な額です)を貰っていました。

随分割りがいいと思うでしょう。

しかし、当然ながらその前に準備をしなければいけません。

資料やスピーチの原稿を貰うことができればそれを読みますし、駄目なら本や雑誌などを探します。

昔はインターネットがなかったので本当に大変でした。

だから同時通訳の仕事は比較的報酬が高いように見えますが、そのために割く時間を考えるとそれほどでもないんですね。

ついでに言うと、同時通訳ではスピーチの原稿を必ずもらえるものと思っている人もいるようですが、実際にはもらえないことも多いんです。

その上、原稿とは全然別のことを話し出す話者もいます。

それから、ついでに聞く方の立場から言うと、同時通訳ははやり聞きづらいですね。

本当に上手い人でも何か隔靴掻痒感は拭えません。

かなり前にテレビである対談を見たんですが、一方がアメリカ人なので、同時通訳が入りました。

やはり聞きにくかった。

通訳のタイミングが遅いし、話がなんとなくずれているような気もします。

比較的テーマが難しかったと言うこともあるんでしょうが(とは言え、極度に専門的な用語が飛び交ったというわけではありません)。

大体、普通は同時通訳では良くて70 %、下手すると30 %くらいしか伝わらないものです。

だから上に書いたように話がずれるんですね。

まだ続きます。