ところで、面白いことに、フランスにいるトップクラスの日仏通訳には完全なバイリンガルはいません。
大統領の通訳でもそうなんですね。
ですから、発音はネイティブ並とはいきませんが、やはりその正確性が評価されているのでしょう。
ところで、通訳にはどのくらいの語学力が必要とされるのかについて疑問に思っている人がいると思いますので、ちょっと説明します。
まず、通訳が話す言語にはA、B、Cのレベルが付けられています。
母国語がAで、母国語並がB、Cはこれよりも落ちますが、通訳はできるといったレベルですね。
そして、基本的には同時通訳はAレベルの言語の方にしかしません(欧州の会議通訳の場合)。
ただし、日本語は通訳の人数が少ないのでB言語の方にもしているようです。
AレベルとBレベルにはあまり違いはないんですが、完全なバイリンガルではないため、やはり自由度に違いが出るようです。
それからAレベルは母国語だと書きましたが、単に母国語であるだけでは駄目です。
たとえば、フランス語だったらLe Mondeという、言葉のお手本になるような有名なクオリティペーパーがあるんですが、この新聞の1ページを読んでわからない単語が10個以下ならOKですね。
日本にはそれほどの新聞はないので難しいですが、まあ日経新聞の1面を読んで知らない言葉が5つ以下ならいいでしょう。
あとは、政治、経済、文学といったテーマでネイティブと議論できることでしょうか。
よく通訳になりたいという人がいますが、こういったことは覚えておいたほうがいいでしょう。
なんだかものすごく難しそうなことを書きましたが、私は勿論そんなレベルには達していません。
もう少し続きます。
では。
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