語学留学とバイリンガル(4)

20170206081823-a51e7feb3840d09bdf76d17f4b5601414c2acd11.jpg続きです。

何度も書きましたが、私はいわゆるバイリンガルの人間を沢山知っています。

たいていはフランス語と日本語ですが、なかには英語も話せるトリリンガルなんてのもいました。

こうした人たちはフランスに生まれ、教育を受けたのですから、フランス語は話せます。

そして両親または片方が日本人ですから日本語も話せます。

これがいわゆるバイリンガルなのですが、残念ながら彼らの言語レベルは非常に低い。

せいぜい高校生レベル、下手すれば中学生レベルで止まっているんですね。

これでは通訳はおろか、ビジネスには使えません。

日本でも会社で若者のようなだらしない喋り方は許されないでしょう。

こんなバイリンガル達が、通訳者や翻訳者になりたいと言って私によく相談しにきました。しかし、彼らは自分達が話せることに満足してしまいそれ以上の努力をしないんですね。

たとえば、新聞も満足に読めず、文章などどちらの言葉でも正確には書けない。

結局アリンガル(無言語)でしかない。

パリには世界でもっとも優秀かつ厳しいので有名な国立通訳・翻訳学校がありますが、こうしたバイリンガルたちが入学試験にさえ受からないと言った状態が何年も続いています。話し言葉だけバイリンガルでは入学さえできないということです。

ちなみに私がフランスにいた当時は、過去20年間に日本人でこの学校を卒業したのは3〜4人という状態でした。

バイリンガルでこれなんですから、最近はやっている数年の、ひどいときは2〜3ケ月の語学留学なんかでは何も覚えられません。

まあ、自己満足のためならそれでいいかも知れませんが、そうではないのならあまり過大な夢は抱かないほうが良いでしょう。

まだまだ続きます。

では。