語学留学とバイリンガル(5)

20170208081300-a73a39e90c13fa41e071aea48b461095d3412b05.jpg続きです。

たとえば英語と日本語で小説を書くような作家は今のところいないと思いますが、やはり完全なバイリンガルというのは非常に難しいということでしょう(英語とフランス語ではいます)。

外国人が日本語で書いた小説に関しては、昔、イーデス・ハンソンという米国出身の女性タレントがいたのですが、この人が発表したものを読んだことがあります。

多分、誰かが見直したのでしょうが、日本語にものすごい違和感がありました。

彼女は日本語を話すのはかなり上手かったのですが、書くとなるとこんなものなんです。

ところで、人間の脳は言語の基盤を生まれつき備えているといった考え方があります(チョムスキーが唱えたいわゆる「普遍文法」ですね)。

だから子供の時に成長と共に自然に覚えるのですが、この時期を逸すると覚えるのが困難になります。

日本人(または日本で生まれて、幼年時代を過ごした人)は、文法を習わなくても、間違わず日本語を話すことができます(まったく間違わないという意味ではありませんが)。

これは外国でも同じで、その国の言葉はその国で生まれてある程度の期間過ごせば自然に身につき、あまり文法的に間違うことはありません。

ただ、文法の細かいことを聞かれても大体の人は答えられないでしょう。

何となくそうなっているとしか言えないんですね。

これがある程度の年齢になると手遅れになり、きちんと学ばないと身につかなくなります。

外国語の習得が難しいゆえんです。

続きます。

では。